温かい飲み物や朝夕の涼しさ…10月に入り少しずつ秋の訪れを感じるようになった。
季節の変わり目、風邪とともに気を付けたいのが「秋の花粉症」だ。
こうした中、長引いた暑さの影響で流行する時期に異変が起きており、専門家への取材をもとに注意点と対策をまとめた。

「いつまで続く?」2025年の流行は例年より2週間遅れ
流行の兆しを見せる「秋の花粉症」。
毎年この時期になると症状に苦しんでいる人からは、例年に比べると症状が出るのが2週間ほど遅く、「いつまで続くのか…不安な気持ちになる」という声が聞かれる。

アレルギー性鼻炎の診療も行う松江市のうえだ内科ファミリークリニックの上田直樹院長は次のように説明する。
「ピークとまではいかないが、猛暑の影響で涼しくなる時期が例年に比べて遅くなっているので、その影響を受けていると思う。これから秋に流行るアレルギー、ダニとか花粉とかの流行が始まってくるのでは」と警鐘を鳴らす。

秋の花粉症の原因植物
スギやヒノキなどの花粉で引き起こされるため、春のイメージが強い花粉症だが、秋はヨモギやブタクサ、イネ科などの植物の花粉が症状を引き起こす。
上田医師によると、2025年は夏の猛暑と長引く残暑の影響で花粉の飛散が遅れ、流行の時期がずれているという。

症状はくしゃみや鼻水など風邪とよく似ているが、見分けるポイントはどこにあるのだろうか。
上田院長は、この時期のコロナの流行、インフルエンザの流行の始まりをふまえて、区別の仕方として、「花粉症は熱があまり出にくいこと、喉の痛みや咳などは風邪の方が多いので、その違いが区別のポイントになる」と説明する。
帰宅後の早めの入浴…効果的な対策実践を
効果的な対策について上田院長は、「この時期だと草むらに近づかない、目の防護で眼鏡をかける、マスクをする、手洗いうがいはもちろんですし、外から帰ったら着替える、早めに入浴するとかも有効だと思います」とアドバイスする。

上田医師によると、秋の花粉は飛散する範囲は狭いものの、原因となる植物が住宅地にも生えているため花粉を浴びやすいという。
そのため、基本的な対策として手洗い・うがいの徹底とともに花粉を家の中に入れないことが重要だと指摘する。

「熱があるかないかとか区別が難しければ、やはり医療機関を受診して症状を相談された方がいいと思います」と上田院長は付け加えた。
ハウスダストアレルギーにも要注意
“長い夏”が終わり、ようやくやってきた秋。
しかし花粉シーズンも長期化する恐れがあり、しばらく注意が必要だ。
花粉症によく似た症状で、ハウスダストアレルギーがあり、こちらもこの時期に注意が必要だ。高温多湿の夏に繁殖したダニがこの時期に死に、その死骸が舞い上がることでアレルギー症状を引き起こす可能性もあるためで、寝具の手入れなど、家の掃除も心がけると良さそうだ。
(TSKさんいん中央テレビ)