福井県内では、自動運転による公共交通サービスの導入に向けた動きが進んでいます。こうした中、坂井市では県内で初めてとなる自動運転による乗り合いタクシーの実証事業が始まります。安全性や利用実績を確認しながら、4年後の完全導入を目指します。
田島嘉晃アナウンサー:
「今、ハンドルがゆっくりと動いています。アクセルやブレーキの操作も自動、運転手はあくまで“見守り役。坂井市で初めて走る自動運転乗合タクシーです」
坂井市で10月15日から始まる自動運転実証事業『イータクプラス』。今回走る区間は坂井市役所・春江支所から春江病院までの約2.5キロ。最大5人が乗れるミニバンをベースにした乗用車にアメリカ発の自動運転システムを搭載し、“レベル2”と呼ばれる段階で、運転手が同乗し必要に応じて手動に切り替えることができます。
運行時間は午前8時から午後4時までで、乗降場所となる停留所は市内6カ所に設けられ、スマートフォンのアプリや電話で予約をできます。
坂井市が、自動運転による乗り合いタクシーの導入を目指したのには下地がありました。それはおととしから運行している予約制の乗り合いタクシー「イータク」です。
「イータク」は、市内全域をカバーする781カ所に停留所が設けられ、利用者は右肩上がりで伸びてきました。
しかし、いまある問題に直面しています。
坂井市公共交通対策課・島野大司課長:
「イータクの利用者は月に約3,000人。市民の足として定着する一方で、運転手不足や予約の集中といった課題も出ていました」
こうした課題を少しでも解消しようと持ち上がったのが自動運転システムの導入だったのです。
市は段階的に運転レベルを引き上げる計画です。
坂井市公共交通対策課・島野大司課長:
「2年後の2027年度には、一部で完全自動運転“レベル4”の導入を目指しています」
イータクプラスの実証事業は、10月15日から11月29日まで行われ、一般市民を対象とした乗車体験イベントも予定されています。
<福井県内の自動運転の取り組み>
・永平寺町:国内初、特定の条件下でシステムがすべての運転操作を担う”完全自動運転”レベル4の運行を実現
・越前市:10月に自動運転EVバスが、市役所と文化センターなどを結ぶ約2キロの区間で実証運行を開始。坂井市と同じレベル2の技術でオペレーターが同乗