マイページ
眼球を狙い反撃…クマとの死闘から生き延びた2人のケースから考える、山で命を守るためにできる二つのこと|FNNプライムオンライン
「クマ列島」~“森”から“街”へ出没相次ぐ

眼球を狙い反撃…クマとの死闘から生き延びた2人のケースから考える、山で命を守るためにできる二つのこと

Google ニュース プリファードソース

クマから身を守る

「落ち着いて後退する」「クマ避け鈴を鳴らす」「スプレーを噴射する」といった行動は理にかなっていて確かに正しい。しかし、実際の現場でそれを実行できるか、あるいは確実に効果があるかとなると話は別だろう。「クマに出会ってからどうなるかは“クマ次第”」という、越中谷さんの言葉通り、その後の展開はクマの気分や状態によるところも大きいからだ。

空から見た知床連山(知床斜里町観光協会より)
空から見た知床連山(知床斜里町観光協会より)

一方で、信じられないことに、一部の観光客がヒグマに過度に近づく問題行動も相次いでいる。年間およそ150万人が訪れる世界自然遺産・知床では、クマに食べ物を与えたり、サケを捕食する姿を至近距離で撮影しようとおよそ10mの距離まで迫るケースもある。こうした行為の結果、クマは人慣れしてしまい、人間を襲う可能性が高まることがこれまでも指摘されてきた。そしてついに、2025年8月に羅臼岳の登山道で死亡事故が発生してしまった。

クマとの遭遇は、準備不足や慢心が命取りになる。ましてや自ら近づくなど言語道断であり、取り返しのつかない事態を招きかねない危険な行為にほかならない。

攻撃してくるのか、それとも逃げ去るかは、その時にならないとわからない。だからこそ、人間にできるのは二つだけだ。ひとつは、遭遇しないための工夫。もうひとつは、もし出会ってしまったときに被害を最小限にする備えである。教科書的な正解だけでなく、自分が実際に山でどう動けるかを想定しておくことが命を守るうえで欠かせないといえるだろう。

『ドキュメント クマから逃げのびた人々』(三才ブックス)

風来堂(ふうらいどう)
旅、歴史、アウトドア、サブカルチャーが得意ジャンルの編集プロダクション。『ドキュメント クマから逃げのびた人々』、『日本クマ事件簿』(以上、三才ブックス)など、クマに関する書籍の編集制作や、雑誌・webメディアへの寄稿・企画協力も多数。

風来堂
風来堂

旅、歴史、アウトドア、サブカルチャーが得意ジャンルの編集プロダクション。『クマから逃げのびた人々』、『日本クマ事件簿』(以上、三才ブックス)など、クマに関する書籍の編集制作や、雑誌・webメディアへの寄稿・企画協力も多数。
ほか、編集制作を担当した近刊に『世界のお弁当とソトごはん』(岡根谷実里/三才ブックス)、『ニッポン秘境路線バスの旅』(交通新聞社)、『戦う山城50』、『カラーでよみがえる軍艦島』(以上、イースト・プレス)など。
『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社文庫)など、代表の今田壮は「古城探訪家・今泉慎一」名義での歴史系著作も手がける。

関連記事

クマから身を守る

【よく一緒に読まれている記事】
街に出没する「アーバンベア」が増加中…夜に活動など野生と異なる行動パターンと身を守る対策
街に出没する「アーバンベア」が増加中…夜に活動など野生と異なる行動パターンと身を守る対策
「クマ列島」~“森”から“街”へ出没相次ぐの他の記事
東京・八王子市でツキノワグマがわなにかかる 都内で初めて緊急銃猟行われる
東京・八王子市でツキノワグマがわなにかかる 都内で初めて緊急銃猟行われる
社会
ナシ農園にクマ! 被害200個の日も 収穫本番を前に「もうなくなります…」農家が悲鳴【広島発】
ナシ農園にクマ! 被害200個の日も 収穫本番を前に「もうなくなります…」農家が悲鳴【広島発】
社会
目の前に迫る巨大クマ 麻酔銃も効かず暴れ逃走 緊急銃猟の一部始終 専門家「毛の生え替わりで針が奥まで入らず」 福島工場居座り
目の前に迫る巨大クマ 麻酔銃も効かず暴れ逃走 緊急銃猟の一部始終 専門家「毛の生え替わりで針が奥まで入らず」 福島工場居座り
社会
住宅地でも襲われる時代に 救命医療の現場が本気で挑むクマ外傷“重症化防止”プロジェクト 秋田大学が頭や顔を守る防護用品と防御姿勢教材の開発に着手 クラファンで支援募る
住宅地でも襲われる時代に 救命医療の現場が本気で挑むクマ外傷“重症化防止”プロジェクト 秋田大学が頭や顔を守る防護用品と防御姿勢教材の開発に着手 クラファンで支援募る
社会
一覧ページへ
×