岐阜県揖斐川町の山中で見つかった女性の遺体をめぐり、男女2人が10月2日、再逮捕されました。捜査は「連続殺人事件」に発展する可能性も出てきました。

■婚姻届の証人を…遺体で見つかった女性 失踪当日のLINE
今年1月、岐阜市の中心部から車で1時間半ほど離れた揖斐川町の山の中で女性の遺体が見つかり、その後、行方不明になっていた可児市の野村花織さん(当時33)と確認されました。

警察は10月2日、別の女性に対する嘱託殺人の罪などですでに起訴されている、岐阜市の立花浩二容疑者(55)と、内縁の妻の神原美希容疑者(35)を、野村さんの遺体を去年12月に遺棄した疑いで再逮捕しました。警察は2人の認否を明らかにしていませんが、殺人の疑いも視野に調べを進めるとしています。
野村さんに一体何があったのでしょうか。野村さんの友人が取材に応じました。
野村さんの友人:
「自分のことよりも他人のことを心配してくれる、友達思いの優しい子です。なんでいなくなってしまったんだろうという思いですね」
去年12月、行方がわからなくなった当日も、LINEでやり取りをしていたといいます。
<野村さんと友人のやりとり 2024年12月14日>
野村さん:「おはよう!無理せずにね!年内どこかでもう1回会えるかな?証人書くのお願いしたいんだけど…」
友人:「おはよう!予定確認するね!」
野村さん:「ありがとう。お願いします」

野村さんは友人に対し、近く出す婚姻届の証人になってほしいと頼んでいました。
野村さんの友人:
「『クリスマスにプロポーズされるんだ』って、本人も受けとめるつもりでいて、すごく楽しみにしていて。幸せそうでした。これからもっと幸せになるはずだったのに」
ところが、このやりとりの数時間後…。
(リポート)
「車通りの多い通りに面しているこちらのコンビニ、女性は防犯カメラに姿が映ったのを最後に、行方が分からなくなっていたとみられています」
野村さんの遺体は、この日の夜から次の日の未明までの間に、遺棄されたとみられています。
■水面下で捜査も…「第二の事件」防げなかったか
警察は今年春ごろまでには、防犯カメラの解析などから浮上した立花容疑者らの関与を疑い、水面下で捜査を始めていました。
そんな中起きたのが、立花容疑者らによる「第二の事件」です。
今年8月、野村さんの遺体発見現場から20キロほど離れた本巣市の山中で、愛知県常滑市のパート・立野恵子さん(当時53)の遺体が見つかり、立花容疑者らは嘱託殺人などの罪で起訴されています。

立花容疑者らをマークする中、立野さんの事件を防ぐことはできなかったのでしょうか。
警察は10月2日、立野さんの事件の前から立花容疑者らが捜査線上に浮上していたのは事実と認めましたが、逮捕状を取るまでの証拠はなかったと説明しています。

これに対し、立野さんの夫は東海テレビの取材に対し、「1人目、野村さんの事件で逮捕していたら変わったと思う。悔やんでも悔やみきれない」と話しています。