続々と水揚げされるカツオに沸いていたのは、千葉県の勝浦漁港。
漁港関係者は「この時季に勝浦にこれだけ(カツオが)揚がるのは珍しいかも」と話します。

一方で、不漁に嘆く明暗分かれる事態も。

取材班が向かったのは、新鮮な刺し身が食べ放題のランチバイキングが人気の、東京・日本橋にある海鮮居酒屋、おさかな本舗「たいこ茶屋」。

お客さんたちもお皿いっぱいに盛り付けた刺し身を堪能しています。
中でも、今が旬の秋の味覚がカツオです。

夏にかけて北上したカツオが、秋になり脂を蓄えて南下してくる「戻りガツオ」。

例年であればこの時期、この店にも生の戻りガツオが並ぶのですが、2日に提供されたカツオは全て冷凍物だというのです。

たいこ茶屋・嵯峨完大将:
今年は戻りガツオが戻ってこない。脂のりもよくない。なので致し方なく冷凍を使っています。

カツオの水揚げ量28年連続日本一を誇る宮城県の気仙沼港を訪ねてみると、例年であれば脂がのった2kg~3kgのカツオが水揚げされるはずですが、漁労長に話を聞くと「(Q.これは大体何kg?)1.2~1.3kg、脂もそんなに乗ってない」と話しました。

さらに深刻なのが漁獲量の少なさです。

例年は水揚げ量が200トンを超える日も珍しくないのですが、この日、9隻の漁船から水揚げされたカツオは合わせて85トン。

仲買人 カネト佐々東・佐々木利重社長:
(Q.カツオの価格は?)例えば今まで1000円で買えたものが、結局3000円になる。

一方、想定外の活気となっていたのが千葉県の勝浦漁港です。
続々と水揚げされたカツオが仕分けされていました。

勝浦漁港といえば、春の訪れを告げる「初ガツオ」で知られていますが、2025年は秋の「戻りガツオ」が続々と水揚げされていました。

漁港関係者は「勝浦じゃ(過去に)ないんじゃないかな。今まで」と話します。

この日は21トンの水揚げがあり、その中には…。

勝浦漁業協同組合・渡辺和明管理課長:
きょう一番大きいサイズで8kgサイズ。これが一番大きい。

気仙沼でカツオがとれず、勝浦でとれるという逆転現象がなぜ起きているのでしょうか。

水産資源に詳しい近畿大学・有路昌彦教授:
カツオは基本的に黒潮の近辺で取れるというか、漁場を形成する魚。

温かい黒潮を好むカツオ。
2025年、黒潮の流れが変わったことで漁場に影響を与えたというのです。

水産資源に詳しい近畿大学・有路昌彦教授:
「黒潮大蛇行」が今年、7年9カ月ぶりに収束した。現在は北関東辺りから西から東へそのまま流れていく流路になっている。