「この情報は、厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』の中にある“食物繊維に富んだ野菜を先に食べることで食後血糖の上昇を抑制し、HbA1c を低下させ、体重も減少させることができることが報告されている”という記述が元になっているのですが、引用元の論文にそのような結論なく、間違っていたのです」

その後、厚生労働省が2024年10月に発表した「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」ではベジファーストに関する記載自体が削除された。

無理してやるほど効果はない?(画像はイメージ)
無理してやるほど効果はない?(画像はイメージ)

このように、科学的根拠が十分でないこともあり、大坂さんはベジファーストを勧めていない。

「“野菜から先に食べなきゃ”って思うと、食事が作業のようになってしまってあまり楽しくないですよね。それなのにそれほど効果がないならやらなくてもいいのではないかと僕は思います」

ただ、やはり食後に血糖値が急上昇する状態は良くない。

「食後に血糖値が200mg/dL以上になることを食後高血糖といい、糖尿病の一つの診断基準になっています。そこまで行かなくても140~200mg/dLの間まで上がる人を“境界型”といい、2型糖尿病の一歩手前になります」

食後に血糖値が急上昇することを放置していると、進行して糖尿病になってしまうリスクがあるというのだ。

専門医が勧める「プレート法」

そこで、血糖値の上昇を緩やかにするために大坂さんが推奨しているのが「プレート法」だ。

ワンプレートをイメージし、食材の配分を次のように考えるというもの(活動量や年齢に応じて量は調整する)。