外国人を巡るSNS上のデマ情報で、また、福岡県内の自治体に問い合わせが相次いでいたことが判明した。今回、渦中にあるのは福岡市だ。
市が中国人800人を職員に-
騒動の発端は、2025年9月28日、SNS上に投稿された、書き込みだ。

『福岡の皆さん!!大変です。福岡市長・高島が、中華人民共和国から800人を公務員として入れるという話、知っています!?』
福岡市が中国人800人を職員にする。投稿者は、この情報を周囲に呼びかけたのだ。

実際に福岡市は、13年前の2012年、ごみ処理や節水技術などの研修目的で中国の公務員を800人規模で受け入れる計画を発表していた。2012年9月の記者会見で高島宗一郎市長は「今、このような状況になっているということは、大変、残念なことだと思います」と述べている。

しかし、このときは尖閣諸島問題を巡る日中関係の悪化を理由に計画は中止となった。

それが、13年の時を経て、突然『福岡市が中国人800人を職員にする』というデタラメな情報が投稿され、これを信じてしまう人が続出してしまったのだ。

ネット上では「中国人雇う、800人雇う??大問題です」(女性)、「福岡市長をクビにしろ!」(男性)、「至急、拡散してください」(男性)といった誤った情報が拡散した。中には、福岡市役所の電話番号を記して問い合わせを呼びかける人まで現れたという。

福岡市によると、問題の投稿があって以降、これまでに50件を超える確認の電話があったが「情報は事実無根です」と説明すると、納得して電話は切られたという。

県内で相次ぐ事実無根のデマ拡散
こうした外国人を巡るデマの拡散だが、このところ福岡県内で相次いでいる。

まず、朝倉市で建設計画が浮上しているマンションに関して「2万人の中国人を移住させる予定」「県が建設を許可した」という誤った情報が出回り、県が緊急会見で否定するという異例の展開となった。

さらに、北九州市では学校給食のムスリム対応を決めたという誤った情報が広がり、抗議の電話などが市に1000件以上寄せられた。これを受けて武内和久市長が自ら「外国人に行き過ぎた配慮をするということではない」とデマを強く否定して沈静化を図る一場面もみられた。

デマは暴走すると取り返しのつかない事態を招く恐れも充分にある。慎重で冷静な対応が国民には求められる。
(テレビ西日本)