秋田の事業者が、遊佐町に所有する土地で検討している採石計画の続報。事業者側が2度目の説明会を開き、新たに採石する面積を縮小する案を示したが、住民からは反対意見が相次いだ。

30日夜に開かれた2度目の住民説明会には約60人の町民が参加した。
秋田の「川越工業」は、遊佐町吉出臂曲(よしでひじまがり)鳥海山の麓に自社が所有する敷地内で「採石」を行う計画を検討している。

「川越工業」は2025年3月、町に事前協議書を提出。
これを受け町は、条例で規制された「掘削の深さが2メートルを超えること」「事業面積が1万平方メートルを超えること」などを理由に、5月の審議会で「規制対象に該当する」と判断し、採石を許可しなかった。

30日夜の説明会で川越工業側は、「湧き水への影響などを考え採掘する区域を当初の計画より1000平方メートル縮小する」新たな案を示した。

しかし町民側は、鳥海山の景観や水資源を守るためとして「掘削の深さ」を問題視している。

(町民)
「鳥海山の景観を損なうようなことはしてほしくない」

「今回ちょっと面積を縮小したくらいで10何メートル掘るのか? 小学生でもわかる、2メートル以上は条例でダメなんだから」

川越工業側は、今回の計画でも前回同様“最大で約30メートルの深さまで掘削する予定”だが、町は鳥海山のような「水資源の保全区域」を保護することを目的に、条例で深さ2メートルを超える掘削を規制している。

(担当弁護士)
「掘削が2メートル以上であったとしても、実質的に水源涵養機能を害するかどうかを審議会も判断している。今回はそういうおそれがない事業ということで計画している」

今回の計画についても、川越工業は町に対し新たな計画の事前協議書を9月25日に提出している。

掘り出した石は酒田港の基地港湾工事に活用するとしていて、今後、町がどのような判断を下すか注目される。

さくらんぼテレビ
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