熊本市東区にある熊本市動植物園で、最も古いアトラクション『モノレール』が、9月30日で46年の歴史に幕を下ろす。最後の週末には多くの人がモノレールとの思い出も振り返りながら、別れを惜しむ姿があった。
動植物園で最も古いアトラクション
熊本市動植物園を走る『モノレール』は、約6メートルの高さから園内を眺めることができるアトラクションで、年間約10万人が利用し人気だ。

モノレールは46年前の1979年に運行を開始し、園内で最も古く、老朽化や部品の調達が難しいことから、9月30日で運行を終了する。

9月27日は午前9時の開園後、福岡市からやってきた川村恵茉さんと母の蘭さんは「モノレールに乗ります」と話し、「最後だから、朝一に乗ろうって。絶対多いから」と、モノレールに乗るために来園したという。モノレールの前には行列ができ、『60分待ち』の張り紙もされていた。
デートや子どもとの思い出がいっぱい
徳丸さん夫婦は、「結婚する前にデートで…。あの頃(5年前)を思い出しながら、最後の思い出に乗ってみたいと思います」と話し、車内で撮影した動画には「懐かしいね」と言葉が漏れていた。

妻の徳丸真幸さんは「ちょっと寂しいですね。思い出の場所だったので、なくなるのが。でも、最後にいい思い出になったので、きょう来てよかったです」と話した。

また、子どもや孫と3世代でモノレールに乗った祖母・井田和代さんは「私はいつも下から写真撮り役で乗っていなかったけど、きょうは最後ということで(子どもと孫と)みんなで来ました。すごいですね、46年って」と振り返る。

江口隼斗さんは「小さいころからずっと乗っていたので、寂しいですね、なくなるの。最後は寂しいけど最後、楽しく皆で乗れたのでいいかなと思いました」と話した。家族が撮影したモノレール内の動画では、「終わっちゃう…」「終わっちゃうね、ありがとうだね」と、家族の会話が残っていた。

また、福岡からやってきた川村恵茉さんは「楽しかった。キリンとかフラミンゴとか見られた」と話し、母・蘭さんも「小さい時から近くに住んでいて通っていた動物園なので、最後、このモノレールに乗りに来ました。思い出深いというかちょっと寂しいです。本当に寂しいです。『お疲れさま』と言いながら乗りました」と話した。

9月30日で46年の歴史に幕を下す熊本市動植物園のモノレール。1周わずか5分ほどの短い時間だが、訪れた人たちは家族や友人、恋人などと、大切な最後の思い出をつくっていた。
(テレビ熊本)