東日本大震災で被災した人を支えてきた「みやぎ心のケアセンター」が、9月30日、支援事業を終了しました。今後は各自治体が活動を引き継ぐことになります。
宮城県が2011年12月に設置した「みやぎ心のケアセンター」は、仙台、石巻、気仙沼に事務所を置き、被災した人の心のケアにあたってきました。
センター長の福地成さんです。
みやぎ心のケアセンター 福地成センター長
「当初は眠れないとか、気分が高ぶる相談が多かったです。時間が経過するにつれて、この問題が震災そのものから、影響しているものだったり、分かりづらくなってきて、複雑化というか多様化してきていると考えられます」
対面や電話などで、日夜、被災した人と向き合い続けてきた心のケアセンター。眠れない…生活を再建する余裕がない…家庭内での衝突が増えた…寄せられた相談件数は、1年に7000件ほどで推移していましたが、時が経つにつれて徐々に減少。
昨年度はピーク時の1割にあたる「1002件」でした。
県は相談件数の減少に加え、国からの交付金が今年度で終わることから、30日でセンターの事業を終了することを決めたということです。
一方で、心のケアに終わりはなく、これまでセンターが担ってきた、業務、経験、心のケアを必要とする人の情報は、すべて、各地域に引き継がれることになります。
みやぎ心のケアセンター 福地成センター長
「ここの職員もみんなどこかにいってしまうわけではなく、地域にきちんと散っていきますので、ここのセンターで経験したことを地域で生かしてもらって、地域復興の次のフェーズに、移っていければいいなと思っております」