岡山県吉備中央町で端を発した、有害性が指摘されている有機フッ素化合物、PFASの問題です。濃度の低減に向けて環境省が町内で始めた事業は掘削の段階に移り作業が本格化しています。
作業を行うのは環境省が公募により選んだ大阪市の建設会社、鴻池組の関係者など約10人です。
汚染の原因となった使用済みの活性炭が置かれていた場所のうち、比較的、濃度の高い値が検出された約500平方メートルの土壌が対象です。9月30日は作業員が重機で掘削した土を約1トンずつ大きな袋に入れて並べていきました。
汚染が確認された浄水場は復旧作業により現在は飲料用の水を提供できる状態になりましたが、近くの沢では9月9日の調査でも、国の指針値の2200倍にあたるPFASが検出されています。
(戸田奈沙記者)
「採取した土壌は集められた後に運び出され、PFASの低減方法が業者により検討されます」
土は、環境省が選んだほかの業者にも渡され、熱で分解したり、薬品で固めて閉じ込めるなどそれぞれの手法で濃度を低減できるか検証します。
(鴻池組環境企画部 小山孝部長)
「今回のような規模でPFASを含む土壌を掘削するのは国内で初めての事例。住民の不安を払拭できる結果が得られれば」
全国に広がるPFASの問題解決の糸口となるのか。環境省は2026年3月末までに技術の最終的な評価をまとめる方針です。