◆マイナスの相続財産
・借入金
住宅ローン、クレジット残債務など
・保証債務
連帯保証人の保証債務など
・税金
所得税、消費税、住民税など
・敷金
賃借人から預かっている敷金など
・未払い金
リース料、医療費、賃貸料など

相続税の対象にならないものも

【相続税の対象にならないもの】
・祭祀財産
墓地、墓石、仏壇、神棚など
・死亡保険金
被相続人以外が受取人のもの。「500万円×法定相続人の数」の金額は非課税
・死亡退職金
「500万円×法定相続人の数」の金額は非課税
・寄付金
公共団体や公益団体への寄付
・事故の損害賠償金
被相続人の死亡事故に関わるもの

死亡退職金や死亡保険金は、相続人1人あたり500万円の非課税枠があります。墓地や仏壇も非課税財産です。葬儀費用や埋葬料は債務として財産から引けます。

生命保険金は相続財産か判断が難しい(画像:イメージ)
生命保険金は相続財産か判断が難しい(画像:イメージ)

香典は遺族が受け取るものなので、相続財産とはなりません。相続財産かどうか判断が難しいのが生命保険金です。被相続人が保険の契約者・被保険者で保険金の受取人でもある場合は、保険金や解約返戻金額は相続財産となります。

しかし、被相続人が保険の契約者・被保険者で、受取人は相続人という場合は、その保険金は受取人のものとなるため相続財産にはなりません。ただし、みなし財産として相続人1人500万円の非課税枠を超える部分は、相続税の課税対象となります。

相続財産を調べたら、その内容を一覧にした財産目録を作成しておきましょう。財産目録の作成は義務ではありませんが、遺産分割協議の重要な資料になったり、相続税の計算に役立ったりと、相続手続きに有用です。

【電子マネーなどのデジタル遺産も調べよう】
現金や不動産など形のある財産だけでなく、暗号資産や電子マネーなどのデジタル遺産も相続の対象です。デジタル遺産は目に見えず、発見が容易ではないため、生前の段階で整理しておきましょう。

『一番わかりやすい!【図解】相続・贈与のすべてがわかる本』(扶桑社)

監修:曽根恵子
株式会社夢相続代表取締役。相続実務士(R)。公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士。監修書に『子のいない人の終活準備』、『一番かんたん エンディングノート』、『家じまい・墓じまい・相続[ 図解]実家問題がすべて解決する本』(扶桑社)などがある。

曽根恵子
曽根恵子

株式会社夢相続代表取締役。相続実務士(R)。公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士。出版社勤務後の1987年に、不動産コンサルティング会社を設立し、相続コーディネート業務を開始。相続実務士の創始者として、1万5000件以上の相続相談に対処。夢相続を運営し、感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続”を提案している。TV・ラジオ出演407回以上、新聞・雑誌取材協力980回以上、セミナー講師実績671回以上と幅広く活躍。著書・監修書86冊、累計81万部発行。監修書に『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2025年版』、『子のいない人の終活準備』、『一番かんたん エンディングノート』(扶桑社)などがある。