テレビ新広島、放送50年の歴史の中から、あの日のニュースを振り返ります。
今から20年前の2005年11月22日、帰宅途中の小学1年生の女子児童がペルー人の男に殺害される事件がありました。
【若木記者】
「広島市安芸区の現場です。住宅が密集する駐車場の脇の場所に段ボール箱がありました。箱の中からあいりちゃんは無残な姿で発見されました」
午後3時すぎ、広島市安芸区矢野西の空き地に置いてあった段ボール箱の中に、小学1年生の女の子が意識不明の状態でいるのを近所の人が見つけました。
女の子は、近くに住む木下あいりさん当時7歳と判明し、死亡が確認されました。
死因は首を絞められたことによる窒息死でした。
事件から8日後の11月30日、遺留品や目撃情報などから近くのアパートに住む当時33歳のペルー人の男を殺人と死体遺棄の容疑で逮捕しました。
一審の広島地裁は2006年、「極めて陰湿な犯行」と断罪し、死刑の求刑に対し、無期懲役の判決を言い渡しました。
検察側と弁護側の双方が控訴、その後も広島高裁でやり直しの裁判が行われるなど複雑な経緯をたどりましたが、事件から5年後の2010年無期懲役が確定。家族を奪われ、極刑を求めていた遺族にとっては無念の判決となりました。
(メモ)
2006年6月、広島地裁での判決公判を前に、あいりちゃんの父親は、「実態を伝えることで性犯罪の抑止につながるなら、娘の名前を出して性的暴行の事実も報道して欲しい」と要望。マスコミは、一時期、遺族の心情に配慮し、実名での報道を取りやめていましたが、この要望を受け、実名報道と性犯罪に関する報道を復活しました。