10月、島根県で行われる大学三大駅伝の一つ、出雲駅伝に鹿児島市の志學館大学陸上競技部が創部以来初めて出場します。
全国の舞台を控えたチーム、エースを中心にその強さの秘密を取材しました。
午前7時半、鹿児島市のマリンポートかごしまに続々と学生たちが集まってきました。
志學館大学陸上競技部です。
2024年12月、長崎県で行われた島原学生駅伝で優勝を果たし、創部以来初の全国大会、10月の出雲駅伝への切符を掴みました。
長距離には1年生から4年生までの14人が所属。
全員が鹿児島県出身です。
この日の練習では、3キロごとにペースを上げながら12キロを走る「ビルドアップ走」を行いました。
チームの中心は、出水中央高校出身、3年生の中村晃斗選手。
2025年6月に行われた全日本インカレでは5000メートルで4位、1500メートルでも5位入賞を果たしました。
志學館大学陸上競技部 3年・中村晃斗選手
「練習に取り組む姿勢や結果だったり、(チームを)言葉で引っ張ることができないので、背中で引っ張るのが自分の役割だと思う。(1日)大体25kmぐらい走っていて、多いときは30kmを超える」
Q.走る以外にしていることは?
「特に・・・寝ています(笑)。体がきついので、寝て、起きて、走るみたいな」
Q.生活の中心が陸上?
「そうですね」
ストイックに陸上と向き合う中村選手ですが、高校時代は怪我に苦しみ、思うように結果が残せませんでした。
関東の大学へ進学する道もありましたが、「地元に残り、自分のペースで陸上を続けたい」と、志學館大学に入学。
しかし・・・
中村選手
「自分が入ったときは『本当に陸上部なのかな?』という(状態)。(部員の)人数もそうだが練習もほとんど来なくて。廃部(寸前)みないな感じだったので、結構びっくりしました」
環境に左右されず自分のペースでひたむきに競技を続け、結果を残すようになった中村選手。
その姿に引き寄せられるように、都大路を走った経験もある鹿児島城西高校出身の齊藤選手や、国分中央高校時代にインターハイに出場した辻田選手ら、県出身の有力選手たちが志學館大学に集まってきました。
中村選手を中心に選手達が切磋琢磨しながら練習することで、チームも強くなっていったといいます。
志學館大学陸上競技部・前迫勇太監督
「鹿児島の志學館大学というチームがどれだけ頑張っているかを全国の人に知ってもらいたいので、ひとつでも前の順位で襷を渡して、一人でも多く応援してもらえるような走りをしたい」
チームとしては出雲駅伝が初の全国、華の1区を走ると公言している中村選手に出雲駅伝への意気込みを聞きました。
中村選手
「個人としては1区区間賞を目標にしていて、チームとしてはひとつでも関東(の大学)を超えることが目標。鹿児島(の選手)だけで活躍できるところを見せられればいい」
廃部寸前だった陸上競技部が初めて掴んだ全国の大舞台。
志學館大学の学生が10月、秋の出雲を駆け抜けます。
志學館大学陸上競技部の皆さん
「初の出雲駅伝、全力で駆け抜けます!行くぞ、おー!」
志學館大学が出場する出雲駅伝の様子は、10月13日月曜日の午後1時からKTSで生中継で放送します。
応援しましょう!