関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、コメンテーターの橋下徹氏が話題のニュースをズバッと論じる『橋下徹のズバ論っ!』と題して、静岡県伊東市の田久保市長の「学歴詐称」問題について語った。

■橋下徹氏「こだわる部分そこじゃなくない?」
橋下氏は「こだわる部分そこじゃなくない?」とし、「除籍と卒業ってそんなに重要?」と考えを示した。

■「除籍か卒業は大した問題じゃない」と橋下氏
橋下徹氏:『学歴詐称』、『学歴詐称』って言われてるけど、市長の事後対応が問題だと、僕は思うんだけど。そっちは問題だと思ってて、(市長は)入学はしてるわけですよ。東洋大学に入学してて、入学試験は通った後に、除籍か卒業って、そんなに、この時代というか、僕も同じぐらいの大学生活を送ってましたけど、その時の大学っていい加減だもん。
授業だって別に出席も取らないし、僕は5年間行ったんですけど、5年のうち試験3回ぐらいしかなかったのかな。2回は学生ストで試験なくなっちゃったし。まあだから、とにかくいい加減な状況だったので、入学はしてて、除籍か卒業ってそんな大した話じゃないんじゃないの?と僕は思うんだけど。
橋下徹氏:例えば、全く入学もしてないのに『ハーバード大学卒業』とか、『東大卒業』だったら、これはちょっと問題だと思うんだけど、入学はしてて、選挙で投票する時に、除籍か卒業って、そんなに重要な判断要素になりますかね?

■経歴詐称は違反だけど、重要なのは「職歴とか経験」
橋下徹氏:経歴の情報って、公に選挙中にはなっていたんですか、結局?
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:経歴票をメディアが求めて、履歴書みたいなのを書いてもらうじゃないですか。それをもとに、私たちが確認できている限りでは2つほど書いてました。新聞のウェブメディアの方ですけれども、オンラインの方では、私が1つ見たものも5月20日付なので、選挙前に『この人はこういう人ですよ』という、簡単な自己紹介のところに、1社は東洋大卒と書いていました。ただ今回の発表を受けて、“東大除籍”と書き直して、訂正文を書いてたので、当時そういう文面はありました。
ただテレビメディアは、あまりそこまでそういうのを報じないですね。ただこの人の経歴を知っておくという意味合いでは、持ちますけれども、一部のメディアはやっぱり新聞媒体なんかは特に、そういうのを使って経歴が書かれます。
橋下徹氏:経歴を詐称するというのは一応、公職選挙法上は、違反は違反なんですけど。でもそれが重要かどうかっていうところを見なきゃいけなくて、その人の職歴とか経験、これはやっぱり政治家を判断する時に重要だと思いますけど、入学はしていてその後、除籍か卒業なんていう所が、ものすごい有権者の判断に影響するかと言ったら、僕はそうは思いません。

■「僕らの頃は卒業も除籍も、ほとんど能力的に変わらない」と橋下氏
橋下氏の「卒業も除籍も変わらない」という考えに、2021年に大学を卒業した番組の橋本和花子キャスターは異論を唱えた。
橋本和花子キャスター:(卒業か除籍かは)私はめちゃくちゃ重要だと思いました。学生時代のことを思い出すと、卒業単位に足りているかを何度も何度も確認しましたし、卒業発表はドキドキしました。ですからその当時の自分にとって、卒業ってめちゃくちゃ大事なことでってなると、それは自分が卒業したかどうかわからないっていうのが、一番ちょっと理解に苦しむんですけど。
橋下徹氏:橋本キャスターと感覚が違うのは、大学のあり方が変わったんですよ。僕らの頃は、いい加減な大学時代だったんだけど。
橋本和花子キャスター:いつごろ変わったんですか?
橋下徹氏:この10年前、15年前ぐらいから変わり始めて、しっかり大学で学ばなきゃいけないということになったから、(橋本キャスターが)卒業の価値をすごい感じてるって、そこは分かります。
橋本和花子キャスター:入学したら卒業までが、ひとくくりという感覚でした。
橋下徹氏:僕らの頃って、超限定しますけど、僕らは卒業も除籍も、ほとんど能力的に変わらないという感じだもん。というふうに、僕は感じてるから。
橋下徹氏:あとは詐称、詐称って言うんだけど、選挙の時の政治家みてくださいよ。政策について、どんだけうそばっかり言ってるんですか。さんざんうそだらけじゃないですか。『あれやります、これやります』ほとんどそれやってないのに、その人たちは、『辞めろ』どうのこうの言われずに、一部メディアでは取り上げられてるけど。除籍か卒業っていうところが、『うそだ、うそだ』というのは、『ええ~そんなに大きな話なの?』って僕は思います。

■ただ、「事後対応はまずい!」
一方、市議会の議長らに「卒業証書」とされる資料をわずかな時間示したということについては、疑念を示した。
橋下徹氏:だから市長は、ちゃんとそうやって説明すればいいのに。事後対応はまずい!チラ見せの卒業証書です。あれ、自分で作ったのか、もらったのか、それぐらい分かるでしょう。
橋下徹氏:今みたいに、『そんなに除籍と卒業ってそんな違いありますか?』ぐらいな話から、ちゃんと説明して、『もう1回やらせてください』と、言えば良かったのにと思うんですけど。ただこれ難しいのが、ちゃんと弁護士が見て、『在籍期間は4年間あった』っていうでしょう。『卒業証明書らしきものを見た』って言ってるんでしょう。
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:金庫に保管してるっていうことをおっしゃるんですよね。
橋下徹氏:だからそう単純に、『うそだ、うそだ』という話しでもないのかなと思うんだけども、本人さんが分かっているんだったら、もうちゃんと説明して、『もう1回(市政を)やらせてほしい』って、言えばいいと思うんだけど、そこの対応はまずいと思う。
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:もしそれが偽造されてたら、私文書偽造みたいな形になるじゃないですか。本来であれば、この前の記者会見で持って来てくれれば良かったんですよ。本当にこれですと言ってくださったら、よかったんだけど、出さなかった。『検察に委ねます』と言いました。これって、ある種自白みたいな形で、公にはしないけれども、こっそり『ごめんなさい、私文書偽造でした。ここの部分は減免してください』という可能性ははらんでますか?
橋下徹氏:それは弁護士がこれから検察と、折衝するでしょうけど、でもそういうことがあれば、多分メディアの方がちゃんと報道で報じると思うので、ただ検察判断待たないと、市長選挙やって当選しても私文書偽造っていうことになれば、また振り出しになるでしょう。ちょっと検察判断待つのか本人からちゃんと説明してからやればいいのにね。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年7月9日放送)
