昭和100年に当たる2025年、100周年を迎えたものが色々あります。
学習雑誌の付録の歴史をたどると、様々な形で時代を映してきたことが分かります。

都内の書店、店頭に並ぶのは発売されたばかりの子供向けの学習雑誌「小学一年生」です。

創刊は1925年で、今年は100周年の節目です。

100年続いた人気の理由について、小学館「小学一年生」の明石修一編集長は「親子で学べる付録というのも、『小学一年生』の魅力の一つだと思う」と話します。

リアルさにこだわって、子供たちの好奇心をかき立ててきた付録は時代とともに変化してきました。

「昭和」は、材料として主に紙を使いながら、細部までリアルに再現された付録を届け続けました。

例えば、スペースシャトルの打ち上げが世界中に伝えられ、宇宙開発が話題になった1983年には発射台に乗って今にも飛び立ちそうなスペースシャトルが登場しました。

そして「平成」では、材料に電子部品や樹脂を取り入れることで、これまでにはなかった体験を実現。

ふたを閉じて鍵盤に触れると音を出すことができるペンケースも登場しました。

時代が「令和」に入ると、紙のボディーを使いながらよりリアルさを求めて進化を続けます。

紙でできた、コンビニなどで見掛けるレジも付録で登場しました。
おにぎりのバーコード部分をスキャンすると、音が鳴ります。

小学館「小学一年生」明石修一編集長:
子どもたちに関心・興味があることを体験的に学んでもらう。よりリアルな体験ができるような付録になっていく時代が令和の時代です。

そして創刊100周年を記念した最新号では、進化の果てに付録に選ばれたのは何と「黒電話」。

企画から完成まで1年をかけました。

原寸大でダイヤルは実際に回すことができます。

電話機の裏には製造番号なども記されるなど、昭和の黒電話がリアルに再現されています。

明石編集長は「(黒電話は)今の暮らしの中では、全くなじみのないものと思う。今のスマホと昔の電話が全く違うというところから興味を持つ。好奇心を持ってもらうことも付録の面白さなのかなと思う」と話しました。

時代とともに走り続けて100年。
学習雑誌の付録がたどり着いた昭和レトロこそ、現代の最新トレンドといえそうです。