自民党総裁選に立候補している小泉農水相の陣営が、小泉氏を称賛するコメントをインターネット上に投稿するよう陣営関係者に要請した問題を巡り、立憲民主党の野田代表は28日、過去の国政選挙で自民党が同様のことをやっていた疑念が生じるとして、「きちんとした調査をやってほしい」と述べた。
愛媛県新居浜市での集会で講演した野田氏は、質問に答える形で小泉氏陣営の「ステマ(ステルス・マーケティング)」の問題に触れ、「ライバルを中傷するような中身も出てきた」ことを強く問題視した。
野田氏は、「党内融和と言いながら、どうやら机の下で膝頭を蹴飛ばしたようなところも垣間見ているような気がする」と感想を語りつつ、「自民党全体にマイナスだから、何となくなかったことにしようという空気が今、出てきているが、それで済む話だろうか」と述べた。
そして、小泉陣営の広報班長を辞任した牧島かれん議員が元デジタル相で自民党のネットメディア局長を務めていることや、小泉氏が党の選対委員長を務めていたことなどを指摘し、「この種のことを対野党でやってきたのではないだろうか。去年の総選挙、(今年7月の)参院選で一番やられたとしたら、おそらく野党第一党の私たちではないだろうか」との見方を示した。
その上で、自民党としての調査を求め、「解党的出直しと言っているのであれば、ネットの活用についておかしな点、不適切な点を、きちんと改革していかなければいけないのではないか」と述べた。
また、講演後の記者団の取材に対し、「まずは総裁選の中で議論があってしかるべきだ。党としてやっていたのではないかといういうことも対象に、大いに議論するべきだ」との考えを示し、総裁選後に「誰が総裁になっても、きちんとした調査をやってほしい」と求めた。
求める調査については「国政選挙でもあったのではないかということも含めて、党として、どのようなインターネット対策をやっていたのかについて」とした。
さらに、インターネットの活用の利点を認めた上で、「弊害の問題についても光をあて、国会の中で法改正を含めた対応も議論していかなければいけないだろう」との考えを示した。