アメリカ政府からビザの発給を拒否されたパレスチナ自治政府のアッバス議長が、国連総会の一般討論にビデオ演説で参加し、将来のガザ統治にイスラム組織ハマスは「関与しない」と強調しました。
アッバス議長は、トランプ政権がビザ発給を拒否したためニューヨークの国連本部を訪れることができず、25日の一般討論には事前収録したビデオ演説で臨みました。
演説でアッバス氏は、イスラエル軍によるガザへの攻撃を「人道に対する罪」で「20~21世紀の最悪の悲劇の一つ」と批判し、即時停戦の必要性を国際社会に訴えました。
一方で、イスラム組織ハマスが2023年10月に行ったイスラエル奇襲についても「パレスチナ人民を代表するものではない」と非難しました。
そのうえでアッバス氏は、「ガザ統治にハマスは関与しない」と明言し、保有している武器を引き渡すよう求めました。
また、「自治政府がガザ統治に責任を負う用意がある」とも語り、将来の選挙実施や統治改革に前向きな姿勢を示しました。
また、イギリスやフランスなど、国連総会に合わせてパレスチナを国家承認した国々に謝意を表し、日本を含む未承認国に対しても承認に踏み切るよう呼びかけました。
アメリカが今回ビザを拒否したのは、各国によるパレスチナ国家承認に対抗する狙いがあるとみられます。