スマートフォンでゲームをしながら運転し歩行者をはねて死亡させた元警察官に有罪判決が言い渡されました。
高知地裁中村支部・中山裕貴裁判官 代読:
「被告を禁錮2年6カ月、4年間その刑の執行を猶予する」
執行猶予付きの判決を聞いた瞬間事故で父を亡くした30代の娘は驚き、落胆したと言います。
遺族:
「ショック。もう少し重い刑もあったのではという思いはある。やりきれない気持ち」
2024年2月2日の深夜、黒潮町の国道を歩いていた59歳の小学校教師・國友通弘さんが車にはねられ死亡しました。車を運転していた宿毛署の藤堂克典・巡査長は事故原因について当初「床に落ちたスマホを拾おうとした」などと供述。検察は過失運転致死の罪で起訴しました。
2025年3月、高知地裁中村支部で開かれた初公判。検察は藤堂被告が事故当時スマホのゲームをしながら運転していたことを明らかにしました。
遺族・国友さんの娘:
「父を失ってすごくつらい思いをしているが、相手方には嘘をつかれていた裏切られた気持ち。とても衝撃が大きかった。警察官という仕事をどういう風に考えていたのかすごく疑問に思う」
25日の判決で中山裕貴裁判官は「被告はスマホでゲームをしながら脇見運転し、被害者と衝突。過失の程度は大きくうその供述をするなどその刑事責任は軽視できるものではない」と指摘。
一方で被告は警察官の職を辞め、運転免許取り消し処分など社会的制裁を受けたなどとしました。その上で中山裁判官は禁錮2年6カ月、執行猶予4年の判決を言い渡しました。
遺族:
「仕事を2か月後にはやめるようになっていてその後もやりたいことがたくさんあって家族みんなで楽しみにしていたところ。父としても無念の思いがあったと思う」
遺族は事故を教訓にながら運転をしないよう訴えました。
遺族:
「一瞬ですべてが壊れるので軽い気持ちでやってほしくない」