全国的な知名度を誇る大分県の由布院。

2025年はJR由布院駅開業100年など町づくりの歴史にとって節目の年です。

そこで由布院の町まちづくりをけん引してきた観光関係者に聞いた当時の経験や将来に向けた提言について特集でお伝えします。

国内外から多くの人が訪れる全国の中でも人気の観光地となった由布院。

駅の開業100年など2025年は由布院の町づくりの歴史の中で節目の年となることから、地元の観光関係者たちが記念の冊子を作りました。

◆亀の井別荘相談役中谷健太郎さん
「手さぐりでみんなでわいわいとやった」

こう振り返るのは亀の井別荘相談役の中谷健太郎さんです。

記念冊子の中ではともに由布院の町づくりをけん引してきた由布院玉の湯会長・溝口薫平さんとの対談が収められています。

当時、中谷さんたちが参考にしたのは海外でした。

◆亀の井別荘相談役中谷健太郎さん
「ヨーロッパ回ってきて、ドイツの保養温泉地を由布院で展開しようと」

1971年にヨーロッパ各地を視察。自然と調和していることを学び、取り入れたということです。ここから動き出した由布院の町づくりでしたが…

1975年、県中部地震が発生。由布院でもホテルなどが倒壊する被害が出ました。

◆山のホテル夢想園志手淑子会長
「一番大きなホテルが倒壊した。それが全国紙にぱっと出てしまった」

こう話すのは当時、中谷さんたちと一緒に町づくりに取り組んでいた山のホテル夢想園の志手康二さんの妻・淑子さんです。観光面でも大打撃があったと振り返ります。

◆山のホテル夢想園志手淑子会長
「由布院は壊滅状態だということで全く客が来なくなった。これはもう大変なことだ死活問題だと」

県中部地震の被害により広がった「由布院壊滅」のイメージ。

この逆境から立ち直ろうと、中谷さんたちは様々なアイディアを打ち出したそうです。

◆亀の井別荘相談役中谷健太郎さん
「わざわざ訪ねて来るような思わず人の耳目を引くようなことがないと。(それが)村が成り立っていくための条件と思った」


起死回生を図ろうと、地震からおよそ3か月後に始めたのが辻馬車の運行でした。

今も続く由布院に春の訪れを告げる風物詩です。

ほかにも…

アットホームな雰囲気でクラシックコンサートを楽しめる「ゆふいん音楽祭」。


さらに「湯布院映画祭」と、由布院のシンボルともいえるイベントを中谷さんたちは次々と立ち上げました。

こうした町の人たちのアイディアで地域の魅力を発信し、全国的な知名度と人気を確立してきた由布院。

海外からも多くの人たちが訪れるようになりました。

テレビ大分
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