静岡県内で規格外野菜を食卓に届ける取り組みを取材しました。
店頭に並んだピーマンやオクラ、ナスなどの新鮮な野菜。
静岡市葵区の駒形通りに2025年1月にオープンした無人の直売所、 「静旬市場」です。
この販売所を運営する辻田敬介さん(31)。
ウェブマーケティング会社の代表を務めていますが、以前から興味があった農業にも携わるなかで農家の課題に気付いたといいます。
ベジプロモーション・辻田敬介 代表(31):
若手農家が販売先に困っていたり規格外の野菜はお金に換えられない課題があったので、僕のほうですべて買い取って消費者に届けられないかと
規格外野菜とは大きさや形などが市場で定められた規格に合わない野菜のことで、処分されることがほとんどです。
そんな規格外野菜も消費者に届けようと始めたこの取り組み。
現在は14軒の農家と契約し、20~30種類の野菜が並びます。
ベジプロモーション・辻田敬介 代表(31):
(規格より)大きくてもみずみずしいおいしいものは農家が好きな価格で袋詰めして置いてくれるので、お客様によっては「大きくておいしい」と喜んで手にとってもらっている
この日は地元の生産者が納品に来ていました。
納品する生産者もメリットを感じています。
岩谷農園・岩谷俊典さん:
スーパーだと同じ規格・同じ大きさに揃えて出すけど、ここだと自分の規格で作れるので全部同じ大きさじゃなくてもいろいろなサイズを合わせて、その分値段は安く抑えられるのでお互いwin winかなと
規格外の野菜はこうした取り組みで消費者に届けられなければ廃棄されてしまいます。
辻田さんが生産に携わるネギの栽培農家を訪ねてみると…
ベジプロモーション・辻田敬介 代表(31):
こちらになるんですけど
北村花絵アナウンサー:
畑の隅にこうやって置かれているんですね
ベジプロモーション・辻田敬介 代表(31):
我々の場合はネギの形が悪くなってしまったもの。1日多い時だと15kgとか、それくらい廃棄になってしまうものがある
農業ハウスの横には大きくなりすぎたり小さすぎたりするネギが廃棄されていました。
生産する農家も複雑な思いを抱えています。
しずおか中村農園・中村正治さん:
(Q.育てた野菜を100%流通させたいと思うが?)せっかく育てたものを捨てなきゃいけないのは苦渋の決断ですよね、嫌ですよね
こうした思いを受けて、辻田さんは直売所以外にも規格外野菜を消費者に届ける取り組みをしています。
朝市を行っている魚の加工会社の協力を得て、規格外のネギのつかみ取りを実現させました。
ベジプロモーション・辻田敬介 代表(31):
魚を買いにくる主婦がここぞとばかりにネギを持って帰ってくれる。規格・規格外に関係なく、農家が作ったものをすべてそこに並べて、地元の人が手に取ってくれれば地元の食の魅力も感じられるし、季節の味わいを楽しめるともっと食卓が豊かになると思う
生産者側だけではなく私たち消費者も現状を知り、できることから行動することが大切です。