自然災害が多発する国同士の救助部隊が連携を確認しました。陸上自衛隊第8師団とフィリピン陸軍の部隊が先日、嘉島町で地震と水害を想定した合同訓練を行い、両国、約50人の隊員が連携の強化を図りました。
【熊本リポート】
「風水害が多いフィリピンに対して、陸上自衛隊はこれまでも機材などの支援を行ってきました。今日の演習では土砂に埋もれた車を探して人を救助する訓練が始まっています」
陸上自衛隊が2022年から行っているフィリピン陸軍への『能力構築支援事業』。
同士国として同じアジア太平洋地域の安全保障分野でも重要なパートナー国に
位置づけられているフィリピンですが、同じ災害大国として人道支援・災害救援分野で自衛隊は能力向上を支援してきました。
支援事業の集大成として行われた地震・水害を想定した訓練には陸上自衛隊第8師団とフィリピン陸軍の国際緊急援助チームから約50人が参加。
嘉島町の緑川河川敷で倒壊家屋からの救出想定では自衛隊員とフィリピン陸軍の隊員がコンタクトを取りながらケガ人役を救助しました。
また、ボートを使った孤立集落からの救助訓練も行われ、両国の指揮官たちが
部隊同士の協力と交流を続けていくことを確認しました。
【フィリピン陸軍ガウィデン・D・ボイセン大佐】
「陸上自衛隊のハイテク装備を学ぶ中で自衛隊が国際的な知識を持っていることを認識しているが、私たちは技術的ツールが不足している。もし日本から学ぶことができれば、フィリピンでもそれを発展させて将来的にもっと多くの命を救えるようになると思う」
離島を多く抱える国同士が人命を救える確率の高い72時間以内にどう手を携えるのか。「困ったときはお互いさま」の連携交流はこれからも続きます。