9月中旬に入ってもまだまだ暑い日が続いているが、季節は少しずつ本格的な秋へと向かっている。
食卓にも秋の味覚が並び始めているが、2025年、サンマやブドウなどにはある変化が起きている。

サンマは前年同時期に比べ約2倍の漁獲量に
秋の味覚の代表格”サンマ”。ここ数年は漁獲量が減っていたが…
8月、全国で水揚げされたサンマは約4987トンと2024年の同じ時期と比べて2倍近い量に上っている。
近畿大学の有路昌彦教授によると2025年はサンマのエサとなるプランクトンが多く発生していることや、海流の流れによってサンマが日本の近くまで到達したことで豊漁となっているという。

大分市のスーパー『トキハインダストリー春日浦フードスタジアム』には新鮮なサンマがずらりと並んでいた。
身の厚みは増しているが、価格は例年とほぼ同じ1匹350円。
売れ行きは好調で1人で2、3匹買っていく人が多いという。
トキハインダストリー春日浦フードスタジアムの針川万亀男さんは「去年よりも(入荷量が)6割以上は増えている。たくさん(サンマが)取れているのでこれからも取れると思う」と話している。

飲食店で新鮮なサンマを堪能する人たち「脂がのってめっちゃおいしい」
サンマは飲食店でも好評である。
旬の食材を使った料理が楽しめる『まぐろ料理ほとじま』では新鮮なサンマを堪能する人の姿が見られた。
客からは「脂がのってめっちゃおいしい。少し肉厚な感じがする」「久しぶりにこのサイズを食べた」と喜ぶ声が聞かれた。
ーーまぐろ料理ほとじま代表 広瀬満寛さん
「例年よりも脂がのっていて背中がぷっくり膨らんでいるので、とっても柔らかくておいしい。ものが良くって値段は一緒と思ってもらえれば」

一方、ブドウは猛暑の影響である異変が…
一方、秋に収穫の最盛期を迎えるブドウ。
しかし、2025年はこの猛暑で異変が起きていた。
「こんな形で間がスカスカで全然太りが悪い」こう話すのは宇佐市安心院町の『たすくファーム』後藤勇人社長だ。
シャインマスカットは例年よりも小ぶりになっているという。
ーーたすくファーム 後藤勇人社長
「早く梅雨が明けた影響と猛暑日がずっと続いている影響で、ブドウの実に関しては成長するタイミングで光合成を行うが、高温すぎるとなかなか出来ないようで、もしかしたらそれが影響して小粒になってしまったのでは」
一方で味に関しては例年以上に甘く仕上がっているという。

こちらの農園ではシャインマスカットのほかに、ピオーネも育てていて、こちらも猛暑の影響を受けて色づきが十分でないものが見られるという。
こうした状況を踏まえ、農園ではハウス内の風通しを良くするために側面を開けるなどして調整してるという。
「熱中症が自分たちとしては気を付けないといけないところなので、しっかり体調を気にしながらブドウのことを第一に考えて、出来る範囲のことはやっていこうと思っている」と『たすくファーム』の後藤社長は述べた。
例年と少し違った様子を見せる2025年の秋の味覚。季節がこれまでと変わってきていることを感じながらも、旬の味を大切に味わいたいものである。
