秋雨前線の影響で、関東を中心に局地的に激しいゲリラ雷雨となっています。
先週に匹敵する大雨となる恐れがあり、低い土地の浸水や河川の氾濫などに警戒が必要です。
各地でゲリラ雷雨が発生しているという現在の状況について、矢澤剛気象予報士とみていきます。
青井実キャスター:
強く降ってきたという情報もありましたが、各地でゲリラ雷雨が発生しているという状況ですね。
矢澤剛気象予報士:
今まさに茨城県内で活発な雨雲がかかっていまして、多数の雷も観測されている状況です。ちょうど前線によって風のぶつかり合いが茨城県で生じている状況です。
宮司愛海キャスター:
映像で振り返っていきたいと思います。まずは、18日午後2時ごろの茨城・ひたちなか市の様子です。雨が車のフロントガラスに打ち付けるなどして前が見えなくなるような一時、大雨となりました。道路もかなり浸水していたことが分かります。
そして午後2時ごろのひたちなか市の別の場所の映像を見ると、かなり強い雨が降っていて一時、ひょうが降っていたこともあったそうです。
そして埼玉・熊谷市の様子です。雨が勢いよく降っています。風も吹いているように見えますが矢澤さん、映像をご覧になってどうでしょうか。
矢澤剛気象予報士:
今から2時間ぐらい前なんですが、ちょうど前線がこの時間帯に埼玉県内を通過していました。まさにその辺りで積乱雲が発達して雨、風が強くひょうも降りやすいような気象状況だったと考えられます。
青井実キャスター:
18日夜にかけても大雨は引き続き警戒が必要ということですね。
矢澤剛気象予報士:
一時的に雨のピークを超えているところも夜になると再び、また2回目の活発な雨雲がかかってくる可能性があります。
現在の雨の状況を見ていきたいと思います。茨城県の辺りに雷が多く発生しています。黄色い四角や×のところ、雷が発生している地点でまさに今、まとまった雨雲が茨城県にかかっているという状況です。
数時間前には埼玉県内などにかかっていました。時刻を午後2時ごろに戻しますと、埼玉や栃木、これがだんだんと東へ移動して、今は茨城県がピークとなっている状況なんですね。
青井実キャスター:
茨城では午後3時半時点で2万軒以上が停電している。こういった影響もあるのかもしれませんがということですね。
矢澤剛気象予報士:
茨城県内の石岡市では午後3時10分からの10分間で18mm、1時間に換算すると100mm以上の雨が降っていたことになります。このあと夕方にかけての発雷確率を見ていきますと、夕方にかけても大気の不安定な状態が続くので天気急変に注意が必要となります。
宮司愛海キャスター:
茨城空港の様子です。カメラの画面に雨粒がついているのが分かりますが、地上スタッフですかね飛行機に向けて準備をしているような様子が分かります。運航状況は、まだ情報としては入ってきていません。
そして栃木・宇都宮市の様子です。矢澤さん、上空の様子から見るに雨は今のところ降っていないように見えますが。
矢澤剛気象予報士:
空も明るくなっていまして、低い雲はだんだんなくなってきています。天気は回復へと向かっていますね。
青井実キャスター:
柳澤さん、こういう状況ですがいつどこで降るか分からないということを気にしなければいけませんね。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
先週もそうでしたけど、これまでの常識が通用しない降り方をするんだということをしっかり肝に銘じておく必要があるような気がしますね。
青井実キャスター:
自分がいる場所がどういった危険が迫っているのか、気象庁のホームページのキキクルで矢澤さんと見ていきたいと思います。
矢澤剛気象予報士:
洪水キキクルというものでして、河川の洪水の危険度が高まるほど、赤や紫、黒と色が変わっていくんですが、今、青の状態で河川はそこまで危険な状況ではありません。
浸水キキクルを見ていきますと、茨城・ひたちなか市や東海村、こういったところが黄色の注意レベルとなっています。
そして18日、大雨となった原因を見ていきます。それが秋雨前線の南下なんですけど、前線の北側は秋の空気、南側は夏の空気、その間に挟まれている日本列島は積乱雲が発達しやすく大雨となったんですね。上空の気圧の谷の近づくタイミングも夕方と重なったことから、茨城県内など今雨が強まっていて、北風や南風もぶつかり、また気温も高いので上昇気流も発達しやすくなるんですね。
宮司愛海キャスター:
先週木曜日も同じように都内で大雨が降りましたけども、メカニズムとしては同じような状況ですか?
矢澤剛気象予報士:
前線の南下というところは同じなんですけれども、実は少しだけ違うんですね。雨雲が発達するタイミング、それから広さが変わっています。真ん中にあるのが先週の図なんですけども東京で風がぶつかって団子状に雲が発達していきました。
左側に7月10日とありますが2カ月前です。渋谷で道路が冠水したような雨の降り方。東西に長く雲が延びています。これと18日が少し似ているような形で、東西に前線が南下することで雲が発達しやすく延びやすかったという特徴があるんですよね。ということで先週とは少しメカニズムが異なっております。
このあとの雨の予想を見ていきます。まだ油断できない状況が続きそうなんですね。茨城県の雨雲は東へと抜けていきます。関東は一時的に雨はやんできますが夜遅くが注意です。午後9時ごろから急に雨雲が湧いてくるんですね。夜遅くにかけて東京都心など関東南部で風がぶつかることによって積乱雲が発達。急な雷雨、低い土地の浸水などに警戒が必要です。
予想される雨量を見ていきますと、関東の北部・南部ともに100mmと予想されていまして、甲信では80mm、低い土地の浸水、川の氾濫なども警戒が必要となります。
青井実キャスター:
線状降水帯とか記録的短時間大雨情報などが出る可能性というのはあるんでしょうか。
矢澤剛気象予報士:
線状降水帯の可能性は低いかなとみていますが、雨雲が少しでも停滞すると記録的短時間大雨情報の可能性はあるかなと考えています。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
予測が難しいんでしょうね、どこで雨雲が発達するか。そうすると本当に自分がいるところで今、降るかもしれないっていうつもりでいたほうがいいですよね。
矢澤剛気象予報士:
わずかな風のぶつかり合いで一気に積乱雲が発達してきますので、かなり難しい状況となります。