世界文化遺産『佐渡島の金山』の全ての労働者を追悼する式典が9月、新潟県佐渡市で開かれた。しかし、「労働の強制性の表現をめぐる日韓両政府の意見が折り合わなかった」などとして韓国側の出席は今年もなかった。
“追悼式”開催求めるも…韓国2年連続で欠席
佐渡市で行われた佐渡島の金山で働いていた朝鮮半島出身者を含む、すべての労働者を追悼する式典。

これは、世界文化遺産の登録にあたり、韓国側が毎年開催するよう求めていたものだ。
外務省の岡野結城子国際文化交流審議官は「佐渡島の金山は、先人たちの長きにわたるご努力の上に営まれてきました。先人たちが紡いできた数世紀にわたる佐渡のすべての労働者の御労苦に思いを致すとともに、亡くなられたすべての方々に心からの哀悼の意を表します」と挨拶。
岡野国際文化交流審議官が犠牲者の冥福を祈った一方で、式典の開催を求めてきた韓国側は「労働の強制性の表現をめぐる日韓両政府の意見が折り合わなかった」などとして1回目の去年に続き、今年も出席しなかった。
佐渡市長「ぜひ参加していただければという思いあった」
追悼式が行われる前の会見で、岩屋外相は「昨年以来、できれば韓国側の参加のもとで式典が行われることが望ましいという考え方のもとで調整を続けてきた。そういう形にならなかったことは残念だと思っている」と話した。

佐渡島の金山で戦時中に働いていた朝鮮半島出身者の宿舎跡に案内板を設置するなど、式典のほかにも韓国側の求めに応じて対応してきた佐渡市の渡辺竜五市長は「すべての働いてきた人への思いをしっかりと表現できると思うので、私としては韓国側にもぜひ参加していただければという思いはあった」と話す。
果たして来年の出席は…
世界文化遺産に登録された佐渡島の金山が日韓対立の場となることがないよう、両政府が対話を重ねていくことが求められる。
(NST新潟総合テレビ)
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