東九州で最初のデパートがルーツとなる老舗の婦人服店が破産申請に向けて手続きを進めていることが分かった。
店舗のあった大分県大分市の商店街では空き店舗が増えていて、その背景などを取材した。

1934年には東九州で初の百貨店「一丸デパート」開業
大分市のガレリア竹町商店街の中にある婦人服店「いちまるプラス」。
事業が停止し、現在はシャッターが閉められた状態となっている。
東京商工リサーチ大分支店によると、「いちまるプラス」は呉服店として江戸時代の1652年に創業し1934年には東九州で初の百貨店「一丸デパート」を開業。
戦後は衣料品店として再スタートし、婦人服などを販売していたが大型商業施設との競合やインターネット販売の台頭で業績が落ち込み、コロナ禍後も回復しなかったとみられる。
負債総額は不明で大分地裁に破産申請を行う予定である。

じわじわと空き店舗が増える大分市のガレリア竹町
いちまるプラスがあったガレリア竹町では空き店舗がじわりと増えている。
その理由について、竹町通商店街振興組合の足立篤志理事長は「原材料の高騰だったり人件費の高騰が要因になっていて、事業規模縮小という形で商店街から違うところに移って、もっと家賃を安いところに人件費も抑えてという傾向になっている」と述べた。

市は最大150万円の補助金を出し事業者をサポート
また、建物の老朽化によって使用できない店舗が増えていることも要因の一つだという。
市の調査では、2022年に10.5%だった空き店舗率は8月末時点で17.1%まで上昇している。
市では商店街の空き店舗を活用する事業者に最大で150万円の補助金を出していて「事業者をサポートして空き店舗の解消に努めていきたい」と話している。
