福井・小浜市に江戸時代の初代小浜藩主・酒井忠勝の菩提寺がある。趣ある美しい光景が今、SNSで密かな人気を集めている。自生するコケがビロードのように広がる参道が、しっとりと参拝者を出迎える。
家老が藩主を祀るため創建
鎌倉から室町時代中期にかけて、京都の東寺の荘園の一つであった小浜市太良庄。田園風景が広がる集落の奥にあるのが曹洞宗「長英寺」だ。

江戸時代の初代小浜藩主・酒井忠勝の死去後、家老が忠勝を祀るためにもともとあった寺を移転させ、その跡地に建てたとされる。
石段を覆うほどの自生のコケ
この歴史ある寺が“インスタ映え”スポットとして密かに人気を集めている。それは、びっしりとコケに覆われた約200メートルの参道の美しさ。

寺の人によれば、コケは年々増えているそうで、今では石段も覆うほど。
山門からまっすぐ伸びる参道の両脇にはスギの大木が立ち並び、木漏れ日が青々としたコケを美しく照らす。

通り抜ける風はやさしく木々を揺らし、こけむす参道の神秘的な光景も相まってか、辺りはひんやりとした空気が漂っている。

雨上がりの晴天には一層美しさを増すという参道。喧騒から離れてホッと一息つける癒やしの空間となっている。
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