2024年3月、熊本市の繁華街で、女性従業員3人を殺害しようとした罪に問われている元飲食店店長の裁判員裁判。求刑通りの判決です。

熊本地裁は17日、元店長に「強固な殺意に基づく同種事案の中で、最も重い部類の犯行」として懲役20年を言い渡しました。

判決を受けたのは、熊本市中央区草葉町に住む、元飲食店店長、奈良 公明 被告(31)です。

判決などによりますと、奈良被告は2024年3月、自身が店長を務めていた熊本市中央区下通の飲食店で、退職を申し出るなどした女性従業員3人に怒りを抱き、顔などを包丁2本で何度も刺し、殺害しようとした罪に問われていました。

奈良被告は、これまでの裁判で起訴内容を認めていて、弁護側は「被告は過労によって、極端な思考になっていた。

殺意は一時的なもので、自ら警察に電話するなどしていて、自首が成立する」とし、懲役8年が相当であると主張。

一方で、検察は「手加減せずに急所をめった刺しにしていて、3人は生死の境をさまようほどだった。一定の計画性があり、強固な殺意に基づく」と、懲役20年を求刑していました。

判決で、熊本地裁の中田 幹人 裁判長は「被害者の通報により、事件が発覚していることなどから、自首は成立しない」と指摘。

さらに「必死の抵抗を排除しつつ、1分間で数十回突き刺すなど強固な殺意に基づく極めて執拗かつ残忍な犯行で、包丁を購入するなど一定の計画性があった。長時間労働により、衝動性が増していた可能性は否定できないものの、被告に有利な事情として酌むことは難しい」として、求刑通り懲役20年を言い渡しました。

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。