能登半島地震で開設された福祉避難所で、経費を不正に請求していたとして、石川県羽咋市は福祉避難所を運営していた輪島市の社会福祉法人の前理事長を詐欺容疑で警察に告訴しました。
羽咋市によりますと去年12月、能登半島地震で開設した福祉避難所の経費について、勤務実態のない人件費が請求されていると通報がありました。
これを受け市が調査したところ、輪島市の社会福祉法人「弘和会」が運営する福祉施設「地域支え愛倶楽部村友」が去年1月から10月まで行った福祉避難所経費の内、夜勤分の基本給や夜勤手当、宿直手当について不正請求の疑いがあったと言うことです。
このため羽咋市は16日、詐欺罪に該当するとして、「弘和会」の前理事長を羽咋警察署に告訴しました。
さらに同じ羽咋市内にある「弘和会」が運営する小規模多機能型居宅介護事業所、「たきのーほーむ風和里」でも人員配置を偽り不正請求しているとの通報があり、立ち入り検査を実施したところ、2023年6月から去年3月までの間、配置基準として定められている看護職員を配置していなかったことが分かりました。
また2023年7月から去年4月について、人員基準欠如により介護報酬を減算すべき所をそのまま請求し受け取っていました。
さらにその場合、算定できないサービス提供体制強化加算についても不正に請求し受け取っていました。
これを受け羽咋市は16日付けでこの事業所の新規受け入れなどを10月1日から来年3月31日までの6か月間、停止する行政処分を行いました。返還請求額は不正請求額などとあわせておよそ1795万円に上ります。
羽咋市の岸博一市長は、「福祉避難所経費の不正請求は虚偽の出勤簿を作成し、勤務実態のない人件費を請求・受領したものであり詐欺罪に該当すると思慮する悪質な行為だ。厳正に対処すべく告訴状の提出に至った。今後は警察の捜査に全面的に協力する」などとコメントしています。