自動車の脱炭素化に向け、トヨタ自動車が注目したのは「ソルガム」という植物です。
青空に向かって育つのは、トヨタ自動車が注目する背の高い植物。
実は、この植物が自動車産業の未来を変えるかもしれないんです。
水素や太陽光など、再生可能エネルギーの研究拠点としても知られる福島県。
8月、そこで新たな取り組みが公開されました。
トヨタ自動車・中嶋裕樹副社長:
きょうご覧いただくのは、バイオエタノールを作る材料になる「ソルガム」という植物を実験的に作っている場所にお越しいただいています。
トヨタ自動車副社長が案内するのは、「ソルガム」という植物の試験栽培場。
アフリカ原産のイネ科の植物で、トヨタやENEOSなどが2022年から共同で研究を進める新たなバイオ燃料の原料です。
特徴的なのはその大きさ。
こちらの試験場ではさまざまな品種が育てられていて、身長160cmの記者の倍以上の高さがあり、まだまだ育つというものもありました。
トウモロコシやサトウキビなどの可食原料が主流のバイオ燃料。
食用との競合が問題視される中。ソルガムは乾燥に強く、やせた土地でも育ち、種類によっては年に2度収穫ができることなどから量産化に期待ができるといいます。
さらに2024年11月には精製プラントを建設。
収穫したソルガムを発酵させるなどしてエタノールにする際、トヨタグループ独自の酵母を使うことで、高い効率で精製できる手法を開発しました。
地球的課題である脱炭素。
欧米を中心にEVシフトが減速傾向となる中、日本は電気・水素そしてバイオ燃料の研究を進め、多様な選択肢で脱炭素を成し遂げたい考えです。
トヨタ自動車・中嶋裕樹副社長:
我々で開発したソルガムの技術、バイオエタノールを効率よく作る技術はできればパートナーの皆さんにどんどん提供し、グローバルでたくさんこのバイオ燃料が供給できるようになった方が結果として“敵は炭素”、炭素を削減することができるのではないかと思っている。
秋には、福島県内の公道でソルガムを活用したバイオ燃料の実証実験を始めたいとしています。