100歳を超える人が増えている背景には医療の進歩や食文化の向上があるとされていますが、重要なのは本人の生活習慣とも言われています。
105歳の今も現役で洋裁を続ける富山県高岡市の女性。
長生きの秘訣は毎日のルーティンにありました。
高岡市に住む藤川きみゑさん、大正9年2月13日生れの105歳です。
今もほぼ毎日ミシンで洋裁の作業をしています。
藤川さんが作るのはポーチや手提げバックなどの布製品で、作品は孫の明子さんが勤めるカフェで販売しています。
若いころから洋裁の仕事をして今も現役の藤川さん。
ミシンも1人で使いこなしています。
*藤川きみゑさん
「105歳でも(布製品を)作ることは今も昔も全然変わらない」
衰えを知らない藤川さん。
規則正しい生活が長生きの秘訣だと話します。
毎朝5時半に起きて化粧をしてから1日が始まります。
そして休むことなく手を動かし続けます。
そんな藤川さんに作品の制作を依頼するのは孫の明子さんです。
*孫・明子さん
「こういったものを反物でもらって、おばあちゃんが加工している。ファスナーをつけて、ポーチになっていたりバッグにしたり(している)。周りからすごいねとか、こんなのできるの?とか言われて褒めてもらうことが生きがいになっていると思う」
さらに、明子さんはきみゑさんの日常をインスタグラムで発信しています。
これまでに投稿は350件以上。
中には4万8千回以上再生された動画もあり、多くの人の共感を集めています。
きみゑさんは時には明子さんの運転する車に乗って温泉や食事にも出かけるといいます。
*藤川きみゑさん
「みんなが大事にしてくれるからうれしい。それが長生きの秘訣」
一方で、きみゑさんには忘れられない戦争の記憶があります。
夫の喜一さんは陸軍兵として小笠原諸島の父島で命を落としました。
その後きみゑさんは家族を支えるため、洋裁の仕事に打ち込みました。
*藤川きみゑさん
「夜も寝ないでミシンを踏んだ。今考えてもゾッとするほど」
洋裁業一筋で戦後を生き抜いた藤川さん。
「手の動く限りは作り続けたい」とまだまだ現役を目指します。
*藤川きみゑさん
「ここまで生きてきたから、許される限り1日でも長生きして感謝して生きたい。今はとても幸せ。言うことがない」