贋作と判断された油彩画「少女と白鳥」が13日から公開されるのを前にメディア向けの内覧会が開かれました。

科学調査を担当した京都大学・田口かおり准教授:
「複合的な調査をいたしまして贋作であると判断を下した作品となっております」

13日から一般公開されるのは県立美術館がドイツ人画家ハインリヒ・カンペンドンクの油彩画として所蔵していた「少女と白鳥」です。

美術館が約30年前に1800万円で購入しましたが2024年6月、贋作疑惑が浮上。専門家による科学分析調査などを経て県は2025年3月、ヴォルフガング・ベルトラッキ氏による贋作と判断しました。

美術館は作品とともに購入した経緯や科学分析の内容を合わせて特別展示「再考 『少女と白鳥』贋作を持つ美術館で贋作について考える」と題し13日から一般公開します。

12日はメディア向けの内覧会が開かれ、科学調査を担当した京都大学の田口かおり准教授によるギャラリートークが行われました。贋作であるとの判断に至った理由について。

科学調査を担当した京都大学・田口かおり准教授:
「(ベルトラッキ氏は)致命的なミスを犯していた。本人は気づいていなかったようだが、もしこれが1910年代に制作された作品とすれば含まれていないような顔料を含有している絵の具を使ってこれを描いてしまっている」

また特別展では、美術館の西洋美術コレクションからマルク・シャガールなどの油彩画を科学調査の結果とともに展示しています。

科学調査を担当した京都大学・田口かおり准教授:
「こういった作品の真贋をめぐる調査の裏側、バックヤードは多くの方にとって目にするのが珍しい機会と思う。調査のプロセス、それが明らかになる過程の当事者のような気持ちで見て考えて贋作とは何かに思いをめぐらせるそんな時間を展示室で持っていただけたら」

特別展は一期目が13日から9月25日まで。第二期は10月4日から行われます。

高知さんさんテレビ
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