これから旬を迎える鹿児島県南大隅町の特産品「辺塚だいだい」を使ったバウムクーヘンの話題です。

手がけるのは、元漁協職員の男性。

敬老の日の贈り物にもぴったりの地元愛が詰まった逸品です。


南大隅町生まれ、南大隅町育ち。

前職は漁協職員という、異色の経歴を持つ山下淳也さんです。

妻の由美子さんと一緒に南大隅の特産品を使ったスイーツのお店を開いています。

この日、作っていたのは辺塚だいだいを使ったバウムクーヘンです。

31℃ LINE花子・山下淳也さん
「和製レモンと言われるくらい爽やかな、かんきつ(の味わい)なので、辺塚だいだいの特徴である苦みを少しだけ感じる方もいる」

辺塚だいだいの搾り方にもこだわった特製のペーストに合わせるのは、たまご、砂糖、小麦粉、バター。

たまごと小麦粉の力だけで膨らませるため、その日の気温や湿度でできあがりが全く違うといいます。

ところで山下さんが25年務めた漁協を辞めたのは今から8年前のこと。

きっかけは、異動で漁協の直売所勤務になり、接客の楽しさを知ったことでした。

当初は漁協を辞めて町内で弁当店を始める予定でしたが、縁あって南大隅町を代表する名所「雄川の滝」のほとりでカフェを経営することに。

そうして接客業を楽しんでいた矢先、山下さんにさらなる転機が訪れます。

山下淳也さん
「天気がここ2、3年おかしくなって。雄川の滝に行くまでの遊歩道が崩れるようになって。1カ月ぐらい営業ができない状況になってきたので、このままでは経営的にもよくない」

思い切って、雄川の滝の近くに菓子店をオープンすることにしました。

山下淳也さん
「カフェを経営しているときに日本中からお客さんが来て、『南大隅町はおいしい食べ物、果物があるのに特産品を活かした土産物がない』と聞いた。ないなら自分で作ろうと」

そんな山下さんには、由美子さんの他にもうひとり頼もしい相棒がいるんです。

山下淳也さん
「THEO(テオ)といって、日本に30台ぐらいしかないAIの道具」

人工知能を駆使して全自動でバウムクーヘンを焼き上げる、通称「テオちゃん」です。

山下淳也さん
「朝来たら『THEOちゃんおはよう』帰るときは『また、明日ね』と帰る。人口6000人もいない小さな町に日本の最先端が来ている」

山下さんの「こだわり」と、テオちゃんの正確さが絶品のバウムクーヘンを生み出します。

焼き上がったバウムクーヘンがこちら。

ふわふわで、しっとり。

ひとくち食べれば辺塚だいだいの爽やかな香りが広がります。

バウムクーヘンは断面が何層にも重なる年輪に見えることから長寿の祝いとしても人気で、敬老の日を前に注文も続々と届いています。

また、おいしさが口コミで広がり、遠方からわざわざ買いに来るお客さんもいます。


ほかにも店内には、南大隅町の温暖な気候が育んだ特産品を使ったプリンなどのスイーツが並びます。

31℃ LINE花子・山下淳也さん
「南大隅町でご飯を食べさせてもらっているので、この南大隅町の特産品を日本中にもっともっと広める活動をしていきたい」

山下さんのスイーツはオンラインショップでも購入できます。

鹿児島テレビ
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