【中原理菜アナウンサー】
「甲佐町の土砂崩れで1人が亡くなった現場です。1カ月がたち、斜面にはブルーシートがかけられ、今週から解体作業が始まったということです」

先月11日、甲佐町豊内で発生した土砂崩れ。

被害に遭った住宅の住民は避難して無事でしたが、その隣に住む増田佳明さん(57)が大雨から家族を守ろうとして亡くなりました。

午前4時すぎ、家の周囲には約60センチまで水が上がり、妻・安理沙さんは1歳と4歳の子どもと共に車に乗ったものの道路側は水が深く、仕方なく、山側に車で避難。

塗装業を営んでいた佳明さんは水に浮いた仕事の道具で近所に迷惑がかからないようにと見回りつつ、外から車の窓を指でたたいて子どもたちが不安にならないように
気遣っていたといいます。

佳明さんはその後、間もなく土砂崩れに巻き込まれました。
あの日から1カ月となった11日、妻の安理沙さんを訪ねてくる人も。

【美里町の男性】
「いい旦那さんだった。私の畑仕事も手伝ってもらって」

安理沙さんは「最近になってやっと声を出して泣けるようになった」と、つらい胸のうちを語ってくれました。

「夫に『これからやりたいこと10個書いて』と言うと『私と幸せになりたい』と
一つだけ書くような人でした。起きたことは仕方ありません。子どもたちのことは
私が必死になればできるから大丈夫」と佳明さんに語りかけました。

テレビ熊本
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