島根県益田市の30代男性が、SNSアプリへの「調教してほしい」などのメッセージをきっかけに、交際あっせん詐欺の被害に遭い、約119万円をだまし取られたことが分かりました。

益田警察署によると被害者の男性は、2025年8月18日、SNSアプリを閲覧中に「調教してほしい」などとのメッセージを確認。
送信してきた女性を装うアカウントに興味を持ち、添付されていたリンクから別のSNSアプリへアクセス。
その後、男性は複数の女性の写真から好みの女性を選択し、さらに別のSNSアプリをインストールするよう指示され、「西野」という受付係を名乗るアカウントと連絡を取るようになったということです。

「西野」から「ミオ」という女性のアカウントを紹介された男性は、やり取りを続けるうちに「ミオ」と会う約束をしたところ、「会員カードが必要」と言われたことから、男性が「西野」に会員カードについて問い合わせると、作成費用が必要だと告げられ、指示された電子マネーアプリのアカウントに送金したということです。

その後も、「会員カードの有効化手続き費用」や「インターネットサイトの誤操作によるデータシステム修復費用」などの名目で複数回の送金を要求され、男性はその都度指示に従い送金したということです。

その結果、8月19日から8月22日までの間に、合計5回にわたり約119万円を詐取されました。

警察は以下の点について注意を呼びかけています。
1.SNSで知り合っただけで会ったこともない人を簡単に信用しないこと。
2.スマートフォン利用者なら性別・年齢を問わず誰でも被害に遭う可能性があるた め、他人事と思わず注意すること。
3.会ったこともない人から振込みを指示された場合は詐欺を疑うこと。

この種の詐欺は、SNSを通じて知り合った相手に好意を抱かせ、実際に会うための名目で金銭を要求するという手口が特徴となっています。

巧妙化する詐欺の誘い文句今回の事件で使われた「調教してほしい」という誘い文句は、全国的に見ても特殊なケースと言えます。
これは詐欺グループが、ターゲットの性的嗜好や特定の願望にピンポイントで訴えかけ、より確実に罠にはめようとする手口の巧妙化・多様化の一例と考えられます。
一般的な恋愛感情に訴えるだけでなく、特殊な欲求を満たすことをほのめかすことで、被害者に「自分だけに向けられた特別なメッセージだ」と思い込ませ、警戒心を解かせる狙いがあるとみられます。

特殊詐欺の誘い文句は、時代と共に変化していて、当初は「オレだよ、オレ」と身内をかたって動揺を誘う「オレオレ詐欺」が主流でしたが、その後「サイトの未納料金がある」などと不安を煽る「架空料金請求詐欺」や、「医療費の還付金がある」と得をさせるように見せかける「還付金詐欺」など、人間の様々な心理につけ込む手口が登場しました。

近年ではSNSの普及に伴い、恋愛感情や投資への興味を悪用する手口が急増しています。今回の交際あっせん詐欺のように、時間をかけて関係性を築き、巧みに金銭を要求するケースも後を絶ちません。
手口は常に新しくなっていて、どんな言葉で誘われても安易に信用せず、お金の話が出たらまず詐欺を疑うことが重要です。

TSKさんいん中央テレビ
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