宮城県蔵王町の図書館に設置された図書返却ボックスで、利用者の男性が指を切断する事故が発生していたことが分かった。
町は事故を受けて、返却ボックスの使用を停止し、安全性を確保した新たな設備の導入を検討している。
事故があったのは、蔵王町にある「蔵王町ふるさと文化会館ございんホール」の図書返却ボックス。
町によると、今年4月16日午前9時半ごろ、町内に住む70代の男性が図書を返却する際、ボックスの投入口に右手を差し込んだところ、引き抜く際に指が引っかかり、右手人さし指の一部を切断する大けがを負ったという。
返却ボックスの投入口はステンレス製で、横幅約50センチ、縦約10センチの開口部があった。町は「事故当時、利用者に対して指を挟まないよう注意を促す掲示はなかった」と取材に答えていたが、その後、訂正があり、「注意を促す張り紙を掲示していた」という。
なお、事故が起きたのは開館前の時間帯だった。
町は事故直後にボックスの使用を停止するとともに、併設されていたCD・DVD返却用のボックスも同様に使用を中止した。
今後は、万が一手を差し入れてもけがをしない構造の返却ボックスに切り替える方針。
この事故については、9月に開かれた町議会定例会の終了後、町長が議員に対して説明。
事故の報告が遅れた理由について、町は傷害保険の手続きなどに時間を要したためとしている。
ございんホールは2004年の開館以来、返却ボックスでの事故は今回が初めてだった。