前線や湿った空気の影響で、熊本県内では9月10日朝に、天草・芦北地方に線状降水帯が発生し、猛烈な雨や非常に激しい雨が降りました。熊本県内では、このあと線状降水帯が発生する恐れはなくなりましたが、引き続き土砂災害に厳重な警戒が必要です。
対馬海峡付近の前線が9月11日にかけて九州北部地方をゆっくりと南下しています。
前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、熊本県内は大気の状態が非常に不安定になっています。
熊本県内には9月10日朝早く、天草・芦北地方に線状降水帯が発生し、命に危険が及ぶ災害発生の危険度が急激に高まりました。
天草郡苓北町付近では午前5時半、レーダーによる解析で1時間におよそ110ミリの猛烈な雨を観測したとして、気象台は『記録的短時間大雨情報』を発表しました。
【西村勇気アナウンサー】
「宇土市三角町から天草方面に向かっています。雷鳴とともに雨粒が大きくなっています」
熊本県内では上天草市松島で9月の観測史上1位となる1時間に77.5ミリの非常に激しい雨を観測したほか、天草市本渡と宇城市三角、人吉市でも非常に激しい雨を観測しました。
この大雨などで交通機関へも影響が出ています。
まずは空の便、全日空の熊本と大阪・伊丹をつなぐ1往復が欠航。フジドリームエアラインズも名古屋・小牧からの便が到着地を変更したため、熊本から出発する便が欠航となりました。また天草エアラインも、天草と熊本や福岡を結ぶ3便が欠航となっています。
鉄道はJR九州の三角線の宇土・三角間の上下線で現在も運転見合わせ。九州自動車道でも、松橋インターチェンジと八代インターチェンジ間の上下線で通行止めとなっています。
熊本県内の被害の状況です。熊本県は10日朝に災害対策本部会議を開き、10日午前7時半時点で、人的被害や住宅の被害の報告は入っていないということです。
一方で、苓北町坂瀬川地区の国道324号では、土砂災害が発生し、全面通行止めとなっています。
木村知事は「河川など危険な場所には近づかず、状況が落ち着くまでは不要不急の外出を控えてほしい」と呼びかけました。
熊本県内は、昼過ぎからは多いところで1時間に50ミリの非常に激しい雨が、また、11日正午までの24時間に100ミリの雨が降ると予想されています。
現在、上天草市や天草市東部などご覧の地域に土砂災害警戒情報が出されています。土砂災害に厳重に警戒してください。