石破政権の地方創生政策、次期政権への継承は不透明

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石破総理が掲げてきた「地方創生」政策が道半ばで終わることになった。人口減少や東京一極集中に危機感を抱き、地方創生を看板政策として進めてきた石破内閣。その政策の行方と、富山県への影響に注目が集まっている。

「地方創生2.0」と交付金倍増

石破総理は2014年、第2次安倍政権で初代の地方創生担当大臣を務めた。総理就任後は「地方創生2.0」と銘打ち、地方創生の交付金を倍増。地方創生の今後10年の指針となる基本構想もまとめていた。

2015年6月には大臣として富山県を訪問。朝日町の笹川地区では、移住者の受け入れで人口増加や活性化に取り組む県のモデル事業を視察し、住民からの要望を国の施策に反映する姿勢を示していた。

富山県の新田知事は「就任以来、地方の実情に耳を傾けていただき能登半島地震からの復旧・復興や地方創生の推進にご尽力いただきました。県民を代表して感謝を申し上げます」と述べている。

「防災庁」創設の行方

石破政権が来年度の創設を目指していた「防災庁」についても、次期政権での行方が不透明だ。石破総理は辞任会見で「防災庁の設立は次の政権に何としても引き継いでいただかねばならない」と述べたが、実現するかは不明である。

富山県は庁内に専門チームを設けるなど「防災庁」の誘致に力を入れてきた。県のある幹部は「次の政権でも防災庁の設置や省庁の地方移転の議論が進むか、わからない」と不安を漏らしている。

新田知事は「避難所の状況が30年前の阪神淡路大震災からさほど進化していない。トイレ、キッチン、ベッド、シャワー、これは非常時といえども確保しなければならない。それが災害関連死の抑止にもつながる」と指摘している。

富山県が今年度予算に計上した避難所の環境改善に向けた事業費の半分は、国が新たに創設した地方創生の交付金が充てられている。今年7月には、石破総理が氷見市や高岡市の被災地を訪れ、復興に向けた財政的、技術的支援に前向きな考えを示した。

裏金問題と政治不信

石破総理は辞任会見で、富山県の現職衆院議員も関与していた自民党の裏金問題についても言及した。

「政治とカネの問題をはじめ、国民の皆さま方の政治に対する不信を払拭することは今だにできておりません。このことは私にとって最大の心残りであります。我が自民党はけじめを付けなければなりません」

自民党県連の鹿熊正一氏は「地方創生、防災対策会を含めて期待するところは多くあった。政局は動くが政策は動かないとならないよう、様々な課題に対応できる執行部体制、統治体制会を構築してほしい」と述べた。

石破総理の辞任に伴い、次の自民党総裁、次の政権がどのような方針を打ち出すのか、地方創生政策の行方とともに注目される。

富山テレビ
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