サッカーボールならぬ“ドローンボール”を操作して得点を競う「ドローンサッカー」。韓国発祥の新しいスポーツで、2025年に初めてワールドカップが開催される。広島からは高校生と社会人が混成チームを結成し、世界の舞台に挑むことになった。
ドローンを使った“空飛ぶサッカー”
ドローンサッカーは、直径約40センチのプラスチック製フレームに覆われた専用ドローンボールを使い、5対5で戦う競技である。

競技は全体をネットで囲った専用ケージ内で行われ、5人のプレーヤーがフィールドの外からコントローラーでドローンを操作。リング状のゴールにボールを通過させて得点を競い、1セット3分を3セットで勝敗を決する。

得点できるのはストライカー2人のみで、残る3人のフィールドプレーヤーは守備に徹する。激しい機体同士のぶつかり合いや、仲間を助ける「レスキュー」と呼ばれる高度な操作など、戦術とチームワークが求められる。
新チームで初のワールドカップ出場
9月24日から韓国で開かれる初のワールドカップには32カ国・総勢2500人が参加予定。広島からは「ヒロシマワークスチーム」が代表として出場する。

メンバーは修道高校の物理班に所属する3人の高校生と、社会人2人。日本ドローンサッカー連盟広島支部を運営するテレビ新広島のアナウンサー・西田杏優もチームの一員に加わった。
修道高校3年の藤川和樹選手は「機体がぶつかり合うときは1対1に見えるかもしれないが、一人ひとりの動きがつながっていて実はチームプレーの競技」と話す。同級生の中畑公さんと光井大翔さんも「戦略が広がって面白い」「奥が深いスポーツ」と魅力を語った。

社会人の青山長選手は電気通信設備の会社に勤務し、仕事でもドローンを扱っている。所属先の「ソルコムマイスタ」は企業として積極的にドローンサッカーに取り組み、社内メンバーは青山選手を含め10人ほど。
「職場に遊び心があると社員のモチベーション向上につながる」と田内啓介社長も後押しする。
歴史の浅いスポーツだからチャンス大
チームで唯一初心者の西田アナは「ドローンボールを同じ位置に留まらせるだけで精一杯」と苦戦中。しかし、仲間の高校生たちから技術を学び、守備に必須の「レスキュー」技にも挑戦している。

「レスキュー」は、相手と衝突して落下し、上下が反転して動けなくなった仲間を元に戻す技。味方を素早く復活させるのもフィールドプレーヤーである西田アナの重要な役割である。
まだ歴史の浅いスポーツだからこそ、誰にでも世界大会出場のチャンスがある。それでも勝ち抜くには高度なテクニックとチーム力が不可欠だ。
「ヒロシマワークスチーム」は世界の舞台に向け、すでに国内大会に出場。新しいスポーツだからこそ広島からの快進撃に期待したい。
(テレビ新広島)