宮崎市で長くその街で愛されてきたお寿司屋さんです。
この店では店主が高齢となり、事業を引き継ごうとしています。

こちらは中小企業の事業承継を支援している宮崎県事業承継・引継ぎ支援センターの岡村巌さんです。

帝国データバンクによると、2024年の県内の経営者の平均年齢は60.2歳と高齢化が進んでいます。事業承継はすぐにはできません。
準備から完了までに5年から10年かかると言われていて、県事業承継・引継ぎ支援センターでは事業承継にむけて計画的な準備が必要と呼びかけています。

宮崎市清水町にある「寿司処万惣」。
注文された料理を手際よく作る店主の極屋廣繁さんは、福岡県などで修行をして宮崎に移り43年前に万惣を開業しました。

(万惣 極屋廣繁さん)
「二十歳でこの道に入った」
「一人前になるのには10年、基礎を勉強したらあとは恥をかきに行く」

多くの店に修行に出向き技術を身につけ、自分のものにしてきた極屋さんの握る寿司は多くの人に愛されてきました。

(万惣 極屋廣繁さん)
「宮崎に福岡から来て、3年勤めて福岡に帰るつもりが住めば都。『あ〜宮崎いいな』って」

極屋さんは81歳になりました。

(万惣極屋廣繁さん)
「高齢でもあって自分に後継者がいないからね」

一緒に万惣を創りあげてきた妻の華子さんも体力的に続けることが難しいと思い始め、二人で話し合って後継者を探すことになりました。

(万惣 極屋廣繁さん)
「商工会議所にずっと入っていて、商工会議所のある部長さんから『万惣さんこういう(事業承継)支援センターがあるよ』ってこういうところ、(センターに)早く『後継者をお願いします』ということを言っておいた方が、すぐには中々見つからないよ』と言われた」

極屋さんは、事業承継後は寿司屋にこだわらないいいと言います。

(万惣 極屋廣繁さん)
「44年間愛してきたこの店をうまく使ってほしい」
「開店の時からの常連さんいるよ、何人も。その人たちが『あ〜ここ万惣やったがね』ってそういう思いもある」
「自分がポンっと来た時に『親父さん頑張ってるよ』とか声かけてくれるとうれしいでしょ、ふるさとは」

この気持ちは妻の華子さんも同じです。

(華子さん)
「自分の好きなように変えてもらってもいい」

Q.「この場が残れるとうれしい?」
A.「そうよね、あとは仕方がない。時代も違うし」

多くの人に愛されてきたまちの名店で、店主の高齢化で後継者を探している店は他にもあります。

延岡市大貫町にある「中山邸晨翁蕎麦」。都城市上町にある「くいだおれなにわ」です。
どの店も苦労して店を築き上げてきました。
早く事業承継の準備を始めることでその味や経営が次の時代につながります。

事業承継については、宮崎県事業承継・引き継ぎ支援センター【0985ー72ー5151】に問い合わせてください。

テレビ宮崎
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