琉球王国時代の貴重な重要文化財や国宝などを所蔵している那覇市歴史博物館が、19年の歴史に幕を下ろしました。
最終日の31日、閉館セレモニーが行われ、多くの人々が別れを惜しみました。

2006年「なはの日」の7月8日、パレットくもじ4階に開館した那覇市歴史博物館。

尚家第22代当主の尚裕氏が那覇市に寄贈し、のちに国宝に指定された「琉球国王尚家関係資料」をはじめ、貴重な史料や美術工芸品を所蔵しています。

来館者:
(貴重な史料が)現存していることが不思議だなと思って。燃えやすいものも多いので、しっかり残っていて大事にされているんだなと思いました

来館者:
沖縄は戦火もひどかった状態なので、これだけのものが残されていたというのは先人の努力だと思います

市は長年にわたり史料を研究するとともに、企画展などを通して市民の目に触れる機会も積極的につくってきました。

所蔵品は、再建工事が進む首里城とともに、現在、整備が進められている中城御殿跡のエリアの施設に移されることが決まり、館はその役目を終えることとなりました。

来館者:
何十回も通っていますけど、琉球の、沖縄の昔の過去のことがいろいろ企画もあって、その度に来て思いを馳せた

来館者:
かなり貴重な史料が、王朝時代のものが残っていて、すごく感銘を受けました。今も素晴らしいですけど、首里城の近くにとなれば、さらに立地としていいと思うので、期待しています

これまで約29万人が訪れ、地域に愛されてきた歴史博物館。

31日の閉館セレモニーには、最後の瞬間を見届けたいと、多くの人々が詰めかけました。

市琉球王尚家伝来品修理等審議会 田名真之会長:
19年間だったんだなと、改めて感慨深く感じています。狭いところではあったけれども、ここで尚家の宝を見てもらえて。今後もぜひ続けてほしい

閉館を見届けた人:
いろんな宝物を直で近くで見させていただいて。新しく首里に移るのは嬉しいんですけど、身近で見られなくなるのは寂しい

閉館を見届けた人:
大きな博物館ではないけれども、情報がいっぱい詰まった博物館。こういう街中に国宝があること自体が素晴らしい。また新たな博物館で、みんなでぜひ沖縄の歴史、那覇の歴史、文化を発信してもらいたい

那覇市歴史博物館の所蔵品が移される中城御殿跡の新たな施設は、2026年秋に完成と公開が予定されています。

沖縄テレビ
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