北海道マラソン2025は8月31日(日)朝8時30分にスタート。札幌市・大通公園発着で行われます。今大会は2028年ロサンゼルス五輪につながる大会です。五輪予選にあたるMGC(2027年秋開催)の予選にあたるレースです。MGC出場権獲得条件は日本人3位以上で、男子は2時間12分以内、女子は2時間32分以内です。今大会で出場権獲得となればMGC出場第1号となります。
有力選手を紹介するインタビュー企画第3弾は、2021年に初マラソン日本最高記録(当時)をマークしたJR東日本の作田将希選手(29)です。作田選手は北海道マラソン2022に出場しましたが2時間33分39秒の84位、厳しい結果となりました。なぜ苦い思いをした北海道マラソンにエントリーしたのか伺いましたー
「前回の北海道マラソンは打ち負かされました。真夏のマラソンが初めての経験だったのですが、練習で暑さ対策はしたつもりでした。ただ北海道マラソンは長い直線が続き、途中バイパスの下を潜ったりタフなコースでした。初めての夏のマラソンだっただけにかなり打ち負かされました。今回のレースはMGCに向けて経験として、北海道マラソンに出たいということを監督、コーチにお伝えし、今回出場することになりました」
夏マラソンです、暑さ対策は万全ですかー
「穴の開いている、風通しの良いユニホームを着ること。帽子をかぶった上にちょっと被せモノをして水を含ませて濡らし、蒸発しにくい状況を作ることをしたい。クールスカーフを巻くなど、とにかく大きな血管を冷やして、体が熱がこもらないようにすることはします。万全な準備をして工夫したいです」
作田選手と言えば…2021年のびわ湖毎日マラソンを2時間7分42秒で走り、初マラソン日本人記録(当時)を更新しました。そのレースを振り返っていただきました。
「コロナ過に入りかけの時期に、別で出場予定だったレースが中止になりました。当時ヘッドコーチだった永井順明監督に“マラソンに出てみないか”と言ってもらいました。自分の中では、結果度外視で出場したのですが、逆にプレッシャーがなくダメ元みたいな感覚で走ったら気候が良かったのもあって、あれよあれよと初マラソンの新記録となり驚きました。自分はそもそもマラソンを走れる選手だとは思っていなかったので…大学、高校で結果が出ていたのは3000m障害で、実業団もそっちの種目ができれば良いなと思っていました。ただ監督の薦めもあってマラソンを走ったことで、僕の心もマラソンの方にくッと動いてしまって…そこからは“マラソン出たいです”と監督、コーチに相談してマラソンを走らせてもらっています」
そんな作田選手にとって「北海道マラソン」は転機になったと言いますー
「前回走った北海道マラソンは、今まで走った中でトップクラスできついマラソンでした。ある意味それが自分のマラソン感を変えてくれました。苦い経験からこのままではダメだなと自分の取り組みを変えることができた大会です。夏のあえて苦しい時期に、苦手のレースに挑むことに意義があると考えています」
作田選手は埼玉・坂戸西高時代、5000m自己ベストは15分18秒。目立つような選手ではありませんでした。ただ創価大学時代に一気に成長。1年で5000mの自己ベストを1分近く更新すると、2年時、箱根駅伝6区に出場。その後、社会人で力をつけ、大阪マラソン2023で2時間7分49秒でフィニッシュ。2023年パリ五輪に向けたMGCに出場権を獲得しトップランナーの仲間入りを果たしました。
「私が高校、中学と本当に無名でインターハイは県大会止まりでした。ただ大学でタイムを伸ばしてもらって、そこから実業団にも引っ張っていただいて、マラソンに出会うことでMGCという素晴らしいステージに出場できました。まだ実績のない学生の選手、自信がない選手に、自分が走ることで何かを感じ取って欲しいと思っています」
自らの走りでまだ陽が当たらない選手たちにも、希望を持って欲しいと語ってくれた作田選手。北海道でどんな走りを見せてくれるのでしょうかー
「北海道マラソンは日本人トップを狙って走っていきたいです」
一瞬、トレードマークのメガネの下でキラリと光るものを見た気がします。作田選手の走りに注目です。
◆北海道マラソン2025 生中継
番組名:カネカスポーツスペシャル北海道マラソン2025
放送局:北海道文化放送(UHB)
放送予定:2025年8月31日(日)朝8時25分~
ゲスト:ハリー杉山
解説:増田明美(スポーツジャーナリスト)渡辺康幸(住友電工陸上競技部監督)
※BSフジでも朝8時28分から生放送