半導体の研究開発の拠点として整備を進めている福岡県が糸島市に新たな施設を完成させ25日、開所式がありました。
糸島市にオープンしたのは「福岡超集積半導体ソリューションセンター」です。
半導体は自動車の自動運転やAI=人工知能などの発展に欠かせないもので、いま世界的に需要が高まっています。
県はこれまでも企業の半導体の研究開発を支援してきましたが、今後はメーカーや業種の垣根を越えた開発環境づくりを目指します。
◆福岡県 服部誠太郎 知事
「企業、大学、関係機関との連携を一層強化し、このセンターから新たな技術、新たな製品を生み出し、世界に羽ばたく企業を目指していきたい」
半導体製造は主に回路を作る前工程とチップを製品として仕上げる後工程があります。
現在、半導体業界では複数のチップを組み立てる後工程の先進技術、「超集積」の発展が求められていて、センターでは素材や部品メーカーなどが連携することで技術革新を狙います。
県内では2023年、半導体技術に精通した人材を育成する施設が設立されるなど、半導体の関連分野に力が注がれています。
半導体をめぐっては、1980年代には日本製が「日の丸半導体」として世界を席巻していましたが、2019年の時点では世界の売り上げ高に占める日本のシェアは1割程度となっています。
こうした状況を受けて現在、国は半導体やデジタル産業の競争力向上を目指していて、2020年時点で約5兆円だった半導体関連企業の国内生産の売上高を、2030年には3倍の15兆円とする目標を掲げています。
福岡県も半導体産業の発展に力を入れていて、今後の動きが注目されます。