鳥取市出身の漫画家・谷口ジローさんの漫画が原作の映画「遥かな町へ」。
2026年秋の公開をめざして倉吉市を中心に撮影が始まっています。
映画で描かれるのは昭和30年代の鳥取…昭和の風景がどう描かれるのか、ロケ現場に密着して探りました。
映画「遥かな町へ」。原作は、鳥取市出身の漫画家谷口ジローさんの代表作の一つで、48歳の主人公が昭和30年代の倉吉市にタイムスリップ。
失踪した父親の秘密にせまるノスタルジーあふれるドラマが描かれます。
メガホンを取るのは映画「RAILWAYS」や「たたら侍」で知られる出雲市出身の錦織良成監督。
キャストは、48歳の主人公・中原博史役を大谷亮平さんが務めるほか、戸田菜穂さんや滝藤賢一さんなど有名俳優が名を連ねます。
8月中旬に倉吉市でクランクインし、9月末まで鳥取県内の各地で撮影が行われる予定です。
23日の倉吉市、続々と集まってくるのは映画のエキストラ。今回のロケでは、通行人や観客など群衆役に約500人のボランティアがエキストラとして登録しました。
エキストラ出演のアベック:
倉吉市内から来ました。地元倉吉の映画にぜひ映りたいと思って応募しました。地元が有名になることがうれしいので、ぜひいろんな人に見てもらえる映画になってくれたらうれしい。
この日は、ボランティアエキストラ30人が撮影に参加しました。
事前に登録していた福村翔平記者にも声がかかり、出演兼取材でロケ現場に密着できました。
映画で描かれるのは、昭和30年代の風景…。エキストラ1人1人に昭和レトロを感じさせる衣装や小道具が用意されています。
福村翔平記者:
海でのシーンということで、海水パンツを渡されましたので着替えてきます。
一瞬しか映らないエキストラにもヘアメイクが施されるなど入念です。
福村翔平記者:
昭和38年にタイムスリップしました。
「平成」生まれの福村記者も親世代の「昭和」の香りを体感です。
エキストラ一行は、撮影現場の湯梨浜町の海岸へ。
この日は、タイムスリップした中学生の博史と同級生のマドンナ・智子が一緒に海に行き、2人の距離が急接近する重要なシーン。
長瀬智子役・磯谷萌々子さん:
うち、こんな海も好き。小さいころつらいことがあると、必死に自転車漕いで海見に行ってた。
博史役の及川桃利さんと智子役の磯谷萌々子さんの近くで、30人のエキストラが賑やかな浜辺を創り出します。
助監督:
ここに座って海を見てる。お知り合いって感じにね、悪いおじさんたち3人はこっちに歩いて行く。
何度もテストを重ねたあと、いよいよ本番。
福村記者も主人公の目の前を横切る男性3人組の1人を“熱演”しました。
わずか数シーンの撮影でしたが、それでも半日かかりました。
助監督:
皆さま、ありがとうございます。海辺のボランティアエキストラの皆さま本日終了でございます。暑い中ありがとうございました。
この映画は、こうしたボランティアのエキストラはもとより、地域住民や行政など、多くの支えで成り立っています。
福村翔平記者:
白壁とともにこちらの道路も昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気となっています。
倉吉市は、観光名所の白壁土蔵群で昭和の風景を再現するため、1500万円かけ市道のアスファルトをはがして土の舗装に。
また資金面でも倉吉市と鳥取県が、それぞれ1000万円を拠出し、観光振興に繋げたい考えです。地元の観光関係者も映画の波及効果に期待を寄せています。
地元の観光関係者:
「精一杯応援してます。気持ちの上でもできることはできるだけ協力させてもらいたいと考えている。
博史役・及川桃利さん:
町の方も親切で、歩いていたら話しかけてくれたり、支えになっています。倉吉の皆さんに認められるような作品にしたいので頑張ります。
錦織良成監督:
倉吉市や鳥取県、地元の商工会やいろいろな団体の方々が待ってましたと。皆さんの期待を裏切らないように頑張ります。
公費も投入されて地元の期待を背負う映画「遥かな町へ」。
撮影は鳥取県内を中心に9月末まで続き、2026年秋に公開予定です。