JAしまねは、コメを集荷する時に生産農家に支払う前払い金「概算金」について、2025年産は主な品種全てで過去最高値に引き上げることを決め、25日に公表しました。

JAしまね・竹下克美代表理事組合長:
令和7年度産の島根米コシヒカリでございますけども、約70%の上乗せでございます。過去最高額だという認識をしているところでございます。

JAしまねが25日に公表した2025年産の概算金(60キロあたり)は、「コシヒカリ」が2024年より1万1600円値上げして2万8400円に。「きぬむすめ」が1万1400円上げて2万8000円など、いずれも過去最大の引き上げ額で、過去最高値となっています。
【「つや姫」2万9200円(前年比+1万1800円)】

JAでは引き上げの理由について、農家にとって必要な設備投資や生産にかかるコストの高騰などに加え、JAの集荷能力を維持するためなどとしています。
概算金は、JAがコメを集荷する時に生産農家に支払う「前払い金」で、安定した農家経営には欠かせないものですが、一方でコメの販売価格に直結するだけに、消費者の反応が気になるところでもあります。

JAしまね・竹下克美代表理事組合長:
(適正販売価格・5キロが)3000円から3500円を超えるであろうというのが偽らざる認識です。消費者の方にどのように受け止められるのかというのが、一番危惧している。

JAでは、消費者にも納得してもらえるよう丁寧な情報発信を続けたいとしています。

概算金が過去最高の大幅値上げとなったことに対し米農家は…。

中村友香記者:
出雲市斐川町です。今年も新米の収穫作業が始まりました。

稲刈りを始めたのは農事組合法人の「アグリードいずも」で、25日はブランド米の「つや姫」を収穫していました。今シーズンの「つや姫」は、今のところ上々の出来だといいます。

アグリードいずも・代表理事 黒田幸司組合長:
私たち生産者としては、今年の価格は非常にありがたいと受け止めています。

黒田さんによると、2024年から2025年にかけて、これまで手が届かなかったトラクターやコンバインなどを総額2億円で購入したといい、概算金の大幅値上げはこうした設備投資への意欲にも繋がると歓迎しています。

ただ米の価格が上がり続ければ、需要の減退を引き起こして持続的な経営に悪影響を及ぼす懸念があるとしています。

アグリードいずも・代表理事 黒田幸司組合長:
(我々は)沖縄から北海道まで全部の米の出来高を把握することは普通出来ないので、(政府には)数字の妥当性を持ったもの(適正な価格)をきちんとした形で出していただきたい。

米農家の苦悩はなお続きます。

TSKさんいん中央テレビ
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