小学校での平和学習に役立ててくださいと、島根県内の小中学校の教員などでつくる団体が、県内の戦争遺跡や戦争体験者の証言を独自にまとめた教材を作成し、県内すべての小学校に寄贈しました。
島根県での戦争に絞った「平和学習 島根ふるさと読本」。
戦争末期に大阪から島根に集団疎開した子どもたちの生活が紹介されています。
勉強よりも農作業が優先され、疎開先でも食糧増産に駆り出されていたことがわかります。
読本には加えて、県内に残る戦争遺跡や戦争体験者の証言が記録されていて、戦時中に島根県で起きたことを詳しく知ることができます。
作成したのは、島根県内の公立小学校の教員などで作る団体「Piece of Peace島根 教師の会」です.
Piece of Peace島根 教師の会代表世話人・須田英典さん:
先生方は、地域に残るこのふるさとに残る戦争について教えたいという思いを持っておられるんだけども、なかなかそういった教えるための教材がなかった。
島根県内ではこれまで、戦争にまつわる地域での出来事や証言などをまとめた平和学習用の教材がなかったことから、この団体が資料の整理や新たな聞き取りなどを経て6年間かけ完成させました。
この日は、団体の代表が県の市町村教育委員会連合会で会長を務める出雲市の杉谷学教育長を訪ね、読本210冊を寄託して県内すべての小学校に届くよう依頼しました。
Piece of Peace 島根教師の会 代表世話人・須田英典さん:
先生方に、あるいは子供たちに私たちのこのふるさとの島根で、どんな出来事があったのかということをまず知ってほしいし、戦争や平和について具体的に考えてほしいというのが一番の願いです。
読本には、戦時下の子どもたちの体験談が多く記載されていることから、団体では現代の子どもたちに当時の同年代が置かれた過酷な境遇に思いを巡らせ、平和について考えてほしいとしています。