25日10 時から愛知県豊明市の市議会では、「スマホは1日2時間まで」の条例化についての議論が行われました。
思い切った取り組みに、市民は一体、どんな思いでいるのか、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」が緊急取材しました。
■愛知県豊明市で全国初の条例案が議論 「スマホ使用時間を2時間まで」
【愛知・豊明市 小浮正典市長】「余暇時間における、スマートフォン等の使用時間を、1日あたり2時間以内を目安に抑えましょう、市民の皆さま全員に促す条例」
愛知県豊明市できょう=25日提出された、全国初という「スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例案」。
全市民を対象にスマホを使う時間を、「仕事や勉強などを除いて1日2時間まで」と目安を示す内容です。
なぜ条例案では、「余暇のスマホ使用時間を2時間まで」としたのか。
豊明市内では、不登校の子どもがスマホに依存するケースが、複数確認されたことをきっかけに検討を進め、総務省の調査を参考に、適正な利用時間を2時間と判断したといいます。
【愛知・豊明市 小浮正典市長】「大人が子どもを縛るという観点ではなく、すべての住民の皆さまに呼び掛けようとしております」
ちなみにこの条例が守れなくても罰則はないということです。
■「スマホ1日2時間」条例が施行されたら意識は変わる?市民にアンケート
豊明市民100 人に、『条例ができたら“スマホ1日2時間”、あなたは意識する?』というアンケートを実施しました。
【19歳】「たぶん気にしないんじゃないかなと思う。法的拘束力がないので。(スマホが)勉強の妨げになる子どもは、制限したほうがいいっていうのは分かる」
【40代】「私はあまり意識しないかなと思います」
(Q.スマホ1日2時間ってどう思う?)
【10歳】「守れると思う。お母さんに使いすぎたら怒られちゃうから」
【15歳】「常に手元にないと困るものだから、2時間は厳しいかなと思います。でも条例ができた場合は、意識はしようと思います、一応」
(Q.普段何をよく使ってる?)
【15歳】「やっぱTikTokが多いですね。インスタグラムとか」
1日中スマホ手放せないというこちらの方は…。
【70代】「意識はするよ。やっぱりいかんなと思うけど」
(Q.意識してどれぐらい(スマホの使用)減らせそう?)
【70代】「体にも良くないから、2時間から3時間は減らせると思うけどね。(減っても)15~16時間にはなると思うけど」
(Q.スマホは手放せない?)
【70代】「そうね。(スマホを)2台持ってるから。ゲームやると充電が切れちゃうから、ちょっと難しいかもしれないね」
この条例が可決されれば、10月1日にも施行するということです。
また「とれたてっ!」が、豊明市民 100 人に聞いた結果は、「条例ができたら意識する」と答えた人が34人、「意識しないと思う」と答えたのが66人でした。
■古市さん、青木キャスターのスマホ事情
番組コメンテーターの古市憲寿さんは、1日のスマホの使用時間は“5時間40分”ということでした。
【青木源太キャスター】「私の予想では、もっと見てるんじゃないかなってイメージが…」
【古市憲寿さん】「意外と少なかったんですよ。先週、海外アメリカ行ってたんで、人とずっといたので、いつもより少ないです。多い時ももちろんあります」
【青木源太キャスター】「常に見てますもんね」
【古市憲寿さん】「だってスタジオでもこうやってずっと見てます」
【青木源太キャスター】「私は別に適宜見ていただいていいという考えですけれども、見てますもんねオンエア中も」
【古市憲寿さん】「もちろん、もちろん」
青木キャスターのスマホの使用時間は“2時間”ということです。
【青木源太キャスター】「私もそんなに長くないと思います。結構、努めて短くしようとしていて、TikTok私も昔見てたんですけど、すごく時間取られることに気づいて、削除しました。見ないようにしました」
スタジオでは、「SNSの使用がスマートフォンの使用時間が長くなる」という体験をしている人が多くいました。
■“条例化”への狙い「過剰使用を控えて、健康にすごして」
豊明市民 100 人に聞いた結果では、条例が施行されても「意識しない」人が6割強で、中には「法的拘束力もないし、誰も守らないんじゃないか」という声もありました。
豊明市長に“条例化”への狙いについて聞きました。
(Q.普通によびかけるのではなく、なぜ条例に?)
【愛知・豊明市 小浮正典市長】「住民にとっては条例案として、ほかの自治体にないのに、わざわざ豊明市だけが条例案を作ることは。重く受け止められると思う。それだけ重要だと我々は考えている。そういうふうに受け止めてほしい。自分の生活・睡眠時間・食事、いろいろな人とのコミュニケーションに支障がなければ、2時間が3時間~5時間になっても、全然問題はない。あくまで過剰使用を抑えていただきたい。健康にすごしていただきたい。それが自分たちの想いです」
そんな市長は1日にどれぐらいスマホを使っているのでしょうか。
【愛知・豊明市 小浮正典市長】「びっくりしました。3時間57分」
(Q.今回初めて見ましたっか?)
【愛知・豊明市 小浮正典市長】「初めて見ました。自分たちは天気のチェックをしないといけないので、3時間くらいは1日使っていると思うが、それは全然かまわない。学習・家事・体操するときもスマートフォンを見ながらされる人もいる。そういう使い方はどんどん使った方が良いと思う。とっても便利です」
つまりは「より強いメッセージになれば」ということです。
【古市憲寿さん】「個人の生活に市が関与するのはちょっと怖いですよね。罰則規定がないとは言え。でもなんかこの市長好感度があったのは、スクリーンタイムの中で、“ポイ活”アプリを使ってるらしくて、その時間が意外と長いっていう」
■オリジナリティある条例…PR効果も?
今回は条例ということで、各自治体ではオリジナリティがある条例を出していることがあるそうです。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「普通皆さんが想定される政策条例とは違い、これは理念条例というような形で、要は行政の方向性だけを示すので、罰則もありませんし、いわゆる努力義務みたいなものです。
例えば、お酒の産地などでは、“地酒乾杯条例”みたいのがあって、『一杯目はビールじゃなくて、地元の地酒で乾杯してください』とか、ほかには牛乳が取れる所だと、『一杯目はお酒じゃなくて牛乳で乾杯してください』みたいな。
別にその通りにしないといけないわけではない、こういう理念条例というのは、いろいろな自治体でオリジナリティあるものが出るのは事実です」
【青木源太キャスター】「条例の中身で、オリジナリティがあるのもそうだし、今回で言うと、愛知県豊明市という市を初めて知った人もいると思うので、PRの効果もあったのではないでしょうか」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年8月25日放送)