テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが特技のイラストを使って天気の豆知識を解説するコーナー。今回は「大雨警報」についてお伝えする。

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台風12号の影響で、宮崎県も南部で大雨となった。串間市では本城川が一時増水し、避難指示が出された。今回の台風12号は、発生場所が北緯31度50分。31.8°より北での発生は、100個に1個という非常に珍しいものだった。

なぜ、こんなに高い緯度での異例の発生となったのか。原因は「海面水温」。台風が発生した鹿児島県沖は30℃前後と高く、いつ台風が発生してもおかしくないような状態となっていた。今回の台風は動きが遅かったため、鹿児島県に大雨をもたらした。鹿児島では8日に線状降水帯も発生したので、「またか」と心がくじけるような雨の降り方となった。

宮崎県内にも活発な雨雲は21日夜遅くから入り始めて、22日午前4時18分、串間市に「大雨警報」が発表された。その後徐々に台風としての渦が崩れ始め、午前9時、中心が日向灘に抜けたところで熱帯低気圧に変わった。

その後も雨は落ち着いていたが、「大雨警報」が解除されたのは、雨が落ち着いてから6時間近くが経った午後2時50分だった。

ここでお天気クイズ。

「なぜ、雨が止んでも大雨警報が継続していたのだろうか?」

「まだ、このあとも雨が降るかもしれないという予測があった」というわけではない。正解は、「まだ警戒すべきことがあるから」

大雨警報には、実は2種類ある。大雨警報(土砂災害)と、大雨警報(浸水害)の2種類。いずれも「重大な土砂災害」もしくは「重大な浸水害」が発生する恐れがあるときに発表される。

つまり、大雨そのものというよりも、降った雨によって引き起こされる災害に警戒を続けて欲しい、という意味だ。

基準はそれぞれ、「雨が土の中にどれだけ溜まっているか」「雨が地表面にどれだけ溜まっているか」などを参考に発表される。串間市では22日の夜遅くまで、念のため土砂災害に注意してほしい。

(テレビ宮崎)

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