岐阜県では8月14日、2025年の新米が初めて出荷されました。“令和の米騒動”を経て待ちに待った新米ですが、気になる価格や今後の見通しについて調べました。

■街で聞いた「いくらまでなら買いたい?」岐阜では新米の初出荷式
最高品質=1等米に格付けされた、早生品種・あきたこまちの新米。岐阜県海津市のJAの施設で8月14日、新米の初出荷式が行われました。

梅雨明けが早く、心配の声も聞かれましたが、品質は良好のようです。
JA全農岐阜の西村寿文県本部長:
「1等米で通ったということで、まずまずの米がこの時期に出荷できたのは本当にうれしく思っています」

新米を“いくらまでなら買いたい”か、街の声を聞きました。
街の人:
「4000円切らないと、ちょっと手が出ていかない」
別の人:
「新米食べたいんですけど、値段を見て考えちゃいますね。10キロ4000円くらいだったらすぐに買っちゃうかな」
■名古屋のコメ専門店「企業努力で…」新米は5kgで5980円
新米はいくらで買えるのか。先週入荷したという名古屋市千種区のコメ専門店を訪ねてみました。
小川屋米穀店の小川潤社長:
「今年はすごく暑かったですし、水不足も心配したんですけれども、思ったよりも出来が良くて安心しました」
旧暦の七夕=8月7日ごろに収穫される「七夕こしひかり」。2024年からの”令和の米騒動”を経て出荷された待望の新米、気になる値段は…。

小川社長:
「企業努力でできるところまで頑張って、こちらの価格でやらせてもらっています」
ブランド米ということもあり、5キロで5980円(税込)と、街の声とは少し離れた価格帯です。2024年と比べて仕入れ値はおよそ5割上昇。願うは現場での豊作です。
小川社長:
「まずはしっかりお米が収穫できることを願う。自然災害の影響を受けずに、無事に普通にとれてくれればいいなと」
■どうなる今後の新米…三重で起きていた“異変”
早場米が主流となっている、三重県木曽岬町の収穫の現場は…。
木曽岬農業センターの古村英之副社長:
「あきたこまちの収穫は順調に進みまして、今年は特においしく感じました」

あきたこまちは順調な出来のようですが、今収穫が始まっているのは、主力の品種「コシヒカリ」です。黄金色の穂を実らせていますが、暑さに弱く、ある異変が起きていました。
古村副社長:
「高温障害を受けると、生育がうまく進まずに、中が真っ白に濁っちゃっている」
選別機で弾かれたお米の中に、2024年を上回る数の白く濁った未熟米が。隣の桑名市で40度を超えるなどしている連日の猛暑の影響とみられます。

全国のコシヒカリの産地で高温障害が懸念されていて、どれだけ収穫できるかが今後のコメの価格を左右するといいます。
古村副社長:
「(一大産地の)新潟や北陸の渇水、農業用水が全然なかったりという問題があったりとか。生産費がかなり上がっていく中で、消費者の方にも納得していただいて、生産者の方も未来に対してコメ作りに投資できる、いい金額に早く落ち着いてほしいなと思います」
■新米も入荷したものの…コメの価格はどうなる?
スーパーでの5キロあたりのコメの価格の推移は、銘柄米が4202円、ブレンド米は2999円となっています。

新米も店頭に並び始めましたが、今後のコメ価格の見通しについて、こんな調査結果が出ています。
コメの生産者や小売業者などを対象にした、向こう3カ月のコメ価格の見通し指数では、備蓄米放出などもあり、ダウントレンドだったのが、直近の7月の調査では3カ月ぶりに上昇に転じています。

この指数は、100に近づくほど値段が高くなるとの見方が強まっていることを示すもので、向こう3カ月=8・9・10月でコメの価格が高くなると見ている関係者が多い、ということになります。
背景としては、新米が高値で取引されていることや、高温などによる生育不良でこの先の収穫量が減るのではとの不安があるとみられます。