8月8日、線状降水帯も発生した大雨により、鹿児島県霧島市と姶良市を中心に住宅の浸水や断水など甚大な被害をもたらしました。
そんな中、姶良市では住宅に裏山の土砂が流れ込んだ現場で、10日、心肺停止の状態で見つかった女性の死亡が確認されました。
一連の大雨により、死者一人を出した今回の土砂崩れを振り返ります。
霧島支局・徳永建一記者
「姶良市蒲生町の土砂崩れの現場です。住宅が竹林とともに押し流されているのが分かります」
8月8日、姶良市蒲生町白男。
住宅1棟が裏山の土砂に押し流されました。
この住宅には4人が暮らしていて、発生直後からこの家に住む30代の女性と連絡がつかなくなっていました。
土砂崩れの通報があったのは8日の午前5時前のことでした。
近くの住民
「雷と雨の降る音で全然崩れた音は聞こえなかった。(私もここに来たら)山が崩れていて、すぐ消防に連絡した」
その後、警察や消防があわせて約40人態勢で女性の捜索を開始。
捜索活動には重機も投入。夜も休まず行われ、がれきを少しずつ撤去しながら24時間体制で捜索が続けられました。
事態が動いたのは発生から2日以上が経った10日の朝。
林佳伸記者
「午前7時です。通報からおよそ50時間。県警の機動隊がブルーシートを広げて作業を始めました。行方不明になっていた女性が発見されたとみられます」
捜索していた女性の発見です。
倉庫のがれきの下で見つかった女性は、まもなく救助されます。
林佳伸記者
「現在、消防と機動隊が行方不明となっていた女性とみられる人を救出し、担架で運んでいます」
女性は心肺停止の状態で救助されましたが、11日午前、医師により死亡が確認されました。
轟木康陽記者
「女性の発見から1日が経ったきょうの現場です。住宅は倒壊しこちらにある屋根が、唯一ここに住宅があったと言うことを示す痕跡となっています。こちらには布団、畳も確認できます」
11日の現場です。
軽自動車は押しつぶされ、生活用品や衣類などが散乱するなか、遺族らがスコップを使い、住宅や泥に埋もれた車の片付けに取りかかっていました。
こちらは押し流された住宅の以前の様子。
現在の様子と比べると、跡形もなくなっていることがわかり、被害の大きさをうかがわせます。
また、土砂が崩れた斜面では、多くの竹が根元から持ち上がっていました。
近くの住民
Q.今までこのような土砂崩れはあった?
「この地区ではそういう大きい(土砂崩れは)なかった」
「見つかって良かったけど、亡くなって残念」
警察は、亡くなったのは連絡がつかない30代の女性とみて身元の確認を進めています。